目の覚めるような一発だった。広島の堂林が17日、宮崎・日南キャンプでの紅白戦で豪快な先頭打者本塁打を放った。


 白組の1番・三塁で出場した第1打席。2ボールからカウントを取りにきた今井の甘い直球をフルスイング。打球はきれいなアーチを描いてバックスクリーン左に飛び込んだ。今キャンプ4度目の紅白戦で飛び出した“第1号”に「これまでで今日が一番よかった。完璧な当たりだった」と自画自賛した。


 前日16日の紅白戦では3打数1安打1三振。9日と12日の紅白戦でも安打は1本のみ。堂林は「結果のことばかりに集中しすぎても、結果は出ない」と反省。首脳陣へのアピールを強く意識しガツガツいく“肉食系”のライバルが多い中、「あえて軽い気持ちでいったほうがいい」と“草食系”の気持ちで打席に臨み、見事、ホームランをかっ飛ばした。


 一軍に定着した一昨年は14本塁打を放ったものの、昨季は8月の死球による左手骨折から復帰できず、6本塁打にとどまった。野村監督は「彼の魅力は長打力。あれくらいは打てるバッター」と驚いた様子はなかった。


 この日は第2打席も内野安打を記録。「最近はなかなか自分のスイングができていなかった」と苦しんでいた中での2安打にも「思い通りの打席はまだ少ない。内容の濃い打席をもっと増やしたい。沖縄(での二次キャンプ)では実戦が多くなるので、やれることをやろうと思っている」と慢心はなかった。