日本球界では7年ぶり、中日では59年ぶりのプレーイングマネジャーが本格始動だ。谷繁元信捕手兼任監督(43)が15日、北谷球場での韓国・KIAとの練習試合で初采配。自身は出場しなかったが「(選手が)今、やろうとしていることを実戦でどう出すかを見てました。今やっていることができた選手もいれば、できなかった選手もいた。あとは試合の流れとかを見てました」と話した。

 この日の指揮官は約3時間の試合中、基本的にどっかりとベンチに座った。時々、辻内野守備走塁コーチや達川バッテリーコーチら首脳陣と話し込み、選手交代は自ら審判に伝える時もあれば、代わりに森ヘッドコーチが行くシーンも。サインは辻コーチが出していたという。これについて、チーム関係者は「谷繁監督は選手としても試合に出ないといけないから、監督として意見は言うが、任せるところは任せるということだと思う。監督、森さん、辻さん、達川さんらの意見が取り入れられる格好。森さんの陰では落合GMもいろいろな助言を出すだろう」と話す。新生中日は、すべてについて監督、コーチの“合議制”となるのだ。

 試合は9―4と快勝。初陣を飾った谷繁監督だが「満足? ここで満足しちゃあダメでしょ。細かいことを追求しながらやっていかないとダメ。負けるよりは勝つ方がいい。単純にそれだけ」ときっぱり。采配について「ベンチで今まではここで監督はどうするのかなと思っていたのが、自分がこうするという、まるっきり違います」と、まだまだ手探り状態のような口ぶりだったが、きっちりシステムはできあがっているようだ。