阪神・藤浪が15日、打撃投手として登板した。

 昨シーズン以来となる打者との対峙。2年目の進化を遂げた姿に期待が集まったが、福留、鳥谷を相手に投げた42球のうち27球がボールとなってしまった。福留が「沖縄の天気みたいやね」と変わりやすいキャンプ地の天候に例えて説明したが、昨年と同じように制球の不安定さを露呈してしまった。

 ただ“晴れ”の投球は貫禄十分だった。福留も「指にかかった時はいいボールが来ていた。今日はオレと鳥谷が相手だったし気を使ったんじゃないの。引っ掛けてインコースにいったらまずいと思ってたんでしょう」と進化の片鱗を感じていた。

 藤浪自身も「ボール自体は悪くなかった。打撃投手はあまり好きじゃないんですよ。バッターを相手に投げて確かめられたこともあった。でも、良くなかったのは確かですね」と反省と収穫を口にした。

 昨年の秋季キャンプから制球力を安定させるために、踏み出す左足が三塁方向に着地するインステップ修正に取り組んできた。インステップを完全に解消するのではなく、着地点のばらつきをなくし、投球フォームを安定させることを目指してきた。

 藤浪も手応えを感じていたが、この日はその効果を発揮することはできなかった。が、当然のことながら、これが2年目の藤浪の全てではない。

 中西投手コーチが「あんなもんじゃない。半分以下」と指摘したように、まだまだ真の姿ではない。今後、開幕に向けて実戦登板を重ねながら「2年目の進化」の全貌が明らかになる。