その座を射止めるのは誰か――。強打者揃いの巨人で、4番争い以上に1番打者を誰が務めるのかに注目が集まっている。

 2次キャンプ地の沖縄・那覇へ移動した巨人は、16日の韓国・サムスン戦(セルラー)から対外試合がスタート。これまでチーム内の競争意識をあおってきた原監督は、本格的な実戦に入っても「どういうふうなものがいいのか多少探っていきたい。いろんなバリエーションがある」というスタンスで、沖縄滞在中に組まれている練習試合やオープン戦でもさまざまなパターンのオーダーを試す方針だ。

 ここへきて内海や杉内といった主力がケガやアクシデントに見舞われている投手陣に比べて、野手は調整も順調。そんな余裕もあってか、原監督は「あさって(16日の打順)は記者投票で決めようか」と冗談めいたことまで口にしている。

 ただ、笑ってもいられそうにないのが1番打者の選定だ。ここまでシート打撃などでは「1番・長野」「2番・片岡」が主力組として名を連ねているが、片岡は「こだわりはないですが、盗塁することを考えると1番がやりやすい。2番より1番の方があまり何も考えずにできる」と、やんわり2番を“拒否”。それ以前に「3番・坂本」「4番・村田」となると長野、片岡のどちらが1、2番を務めようと右打者がずらり並んでしまう。

 左打者では抜群の身体能力を誇り、11日の紅白戦で紅組の1番を務めた新外国人のアンダーソンが有力候補だ。打撃スタイルはアベレージ系で打順にこだわりもないようだが、日本球界に順応できるかは未知数。原監督は打順については「早く決めるものではないけれども、固まるなら固めたい」と話しているが、強力打線をけん引するリードオフマン選びには頭を悩ませることになりそうだ。