阪神の新守護神・呉昇桓(オ・スンファン=前サムスン)に古巣が心強い太鼓判だ。

 14日、阪神は沖縄・宜野座球場でサムスンと練習試合を行った。韓国最強ストッパーは昨年まで一緒に戦ったチームメートとの再会について「何の助けにもならないよ」と冗談めかして笑ったものの、サムスンベンチでは笑顔で旧交を温めていた。

 さらに、サムスン首脳陣は、ささやかれている呉昇桓の2大不安を完全に払拭した。まず一つ目は調整方法だ。9日にブルペンで投球練習を終えた後、2日連続でキャッチボールも行わない完全ノースロー。呉は「韓国でもこういう調整方法だった」と説明したが、日本では珍しいパターンだけに故障説も浮上していた。

 この不安に対してサムスンで投手インストラクターを務める門倉健氏(元中日)は「彼はマイペースで開幕にきちんと合わせる。2日連続で投げないことも彼の方法。気にすることはないよ」と断言する。

 もう一つは投球時に踏み出した左足の微妙な動きが2段モーションにあたると審判団から指摘されていることだ。サムスン・芹沢バッテリーコーチは「対応できる。彼にも『日本にやり方に合わせなきゃいけない』という話をした。彼も『やりますよ』と言っていた。技術力もあるし、メンタルも強い。日本の野球に対応できる力はある」と言い切った。

 門倉氏や芹沢コーチと笑顔で再会した呉。門倉氏も「笑顔で会えたので安心していますよ」と胸をなでおろしたように、呉自身にも大きな動揺はない。数々の心配事は杞憂に終わりそうだ。