楽天の2年目左腕・森が、開幕ローテ争いの第1関門を見事に突破した。

 久米島キャンプで11日、紅白戦が行われ森と4年目左腕の塩見が先発。森は最速145キロの直球を主体に紅組先頭の榎本を左邪飛、続く神保を中飛。後藤には中前打を許したが盗塁を阻止。上々の立ち上がりを見せた。

 2回は伸びのある高めの直球を積極的に使い牧田、小斉、三好を連続でフライアウトに打ち取った。結局、この日は2回を25球で1安打無失点。森は「今日は思い切って投げることをテーマにマウンドに立った。直球の力強さはよかった」と満足感を漂わせ、佐藤投手コーチは「森? よかったんじゃないの」と合格点を与えた。

 福岡東高からドラフト1位で入団したが、昨季は二軍で3勝4敗と不本意な結果に終わった。今季も二軍暮らしを続けるつもりはない。「まず初勝利してシーズン5勝を目指す」と目を輝かせる。「今の状態は70~80%。130キロ後半でも切れのあるいい球をコンスタントに投げたい。ムダなケガをせず実戦に向けて調整していきたい」

 キャンプ恒例の朝の声出しでは「(新人の)松井裕樹だけじゃなく、森雄大も覚えてもらえるよう頑張ります」と声を張り上げ、ドラフト1位の後輩に対するライバル意識を示した。2年目を迎えた大器が、いよいよ一軍で大輪の花を咲かせる。