中日の沖縄・北谷キャンプでドラフト2位の又吉克樹投手(23=四国IL・香川)の評判がいい。右サイドから繰り出すクセ球が特徴で、ここまでにフリー打撃で“対戦”したルナは「腕の出どころが見づらくて重く感じる。(ヤクルトの)バレンティンにも通用すると思うよ」と絶賛。森ヘッドコーチも「人と違う所から投げられるのは一番の長所だ。普通に投げれば一番結果を出しやすいタイプ。一人、ああいうのがいれば面白い。スライダーとシンカーもいい。特に右の外国人に効くんじゃないか」と期待している。

 そんな又吉は現在“実家断ち”をしているという。沖縄出身。実家は浦添市にあるが、立ち寄るどころか、両親らと外で会って食事をすることさえなし。9日、両親ら親戚がキャンプ地を訪れた際にも「練習だから」とたったひと言交わしただけで別れたそうだ。

 決して首脳陣からストップをかけられているわけではない。それどころか同じ沖縄出身の友利投手コーチからは「実家に帰れ。親孝行しろよ」と奨励までされている。しかし、又吉はあえてそれを“封印”。

「ちゃんと一区切りがついてから行こうと思っているんです。一軍でやっていけると思った時に実家に顔を出したいんです」と決めているのだ。

 今後、キャンプではシート打撃、練習試合など実戦登板が増えてくる。

「これからの結果次第で一軍でやっていけるかどうかが分かると思う。(実家に行くのは)そこで手応えをつかんだら、ですね。ボコボコに打たれていたら実家どころじゃないですから」。楽しみにしている祖母の手料理を胃袋に収めるためにも又吉はさらに結果を出すつもりだ。