ソフトバンクが今年の宮崎春季キャンプに、秘密兵器を導入していた。その名も「REC CHECK GOLF」だ。そのマシンの前でバットを振ると、スイングの様子が自動的に録画される。それだけではない。スイングの速度やボールを打ったときの打球の初速、ミート率などのデータが提示されるという、世界に1台しかないすぐれものだ。これで打撃技術をしっかりとチェックして、リーグ制覇と日本一奪回という悲願達成を目指す。

 世界にたった1台という貴重なマシンが今キャンプ、ソフトバンクの練習場に運び込まれた。「REC CHECK GOLF」はもともとセガサミーの野球部で使用されていたもの。現状では製品化はされておらず、同野球部とソフトバンクのチーム関係者同士のつながりから、開発に協力という形で導入が決まった。

 最初に作られたのは3年前という同マシン。名前に「GOLF」があるように、もともとはゴルフ場などで使用されていた。「自分のスイングを客観的に見られるということと、データが表示されるというところがゴルフでも大いに評価されていました」(セガサミー関係者)

 それを野球用にチェンジ。ボールとバットの動きを捉えるセンサーを改良。ゴルフで使われていたものは、スイングする人の正面と後方にカメラが取り付けられていた。野球用ではそれを取り外せるようにし、どの角度からでも撮影できるようにした。オリックスの宮崎祐樹はセガサミーに所属していたとき、このマシンを利用してパワーアップを果たしたという。藤井打撃コーチは「録画した画像を8分の1秒のスロー再生ができるし、その場ですぐにデータが見れるというのはいい」と早くも新兵器に好感触を得ている。まだ使用した選手は少ないが、キャンプ中は練習場に設置する方針。藤井コーチは「自由に使っていってくれればいい」と話す。

 商品化は未定。仮に販売が実現したとしても「業務用のものなので、一般の方の購入は難しいでしょう」(前出のセガサミー関係者)。

 昨季のチーム打率は12球団トップの2割7分4厘をマーク。鷹打線はこの秘密兵器でさらにレベルアップし、日本一を成し遂げる。