これもゴジラ効果か。実績のある井端や片岡の加入で例年になく厳しい立場に置かれている坂本の株が急上昇中だ。キャンプ第2クール最終日となった9日、報道陣に総括を求められた原監督が「『この選手…』ということを口にするのは尚早だと思うが、あえて言うならば(坂本)勇人の練習。量、質ともによくやっている」と名前を挙げて絶賛した。


 無視できないのが、松井臨時コーチの存在だろう。入団以来、全く接点はなかったが、2日のフリー打撃で打撃投手を務めてもらい、言葉を交わした。渾身の105回のフルスイングで12発の柵越えを放ち、松井氏から「素晴らしい打者。力強い打球が印象に残った」と評価された。偉大なゴジラコーチとのやり取りから着実に成長を遂げているGの若武者に、原監督も確かな手応えを感じ取っているようだ。


 指揮官は今キャンプに際し「レギュラー白紙」を強調。もちろん坂本も例外ではなく、井端らとの競争を課せられたばかりでなく、危機管理の名目で本職ではない三塁を守ったりもしている。それでも嫌な顔一つせずキャンプインから毎日のようにハードなメニューを消化しているのは、原監督の意図が坂本にも伝わっている証拠。日本一奪回に向けて順調なキャンプを送っている指揮官は「非常に意義のある時間を過ごせている」とご満悦だ。