阪神の新守護神候補、呉昇桓(オ・スンファン=31、前サムスン)が7日、沖縄・宜野座キャンプで初めてブルペン入りし、韓国で「石直球」と呼ばれた球威を披露した。ストレートのほか、2種類のスライダー、ツーシームも自在に操り、計61球。「感触、バランスともに良かった」と満足そうに話した。

 周囲の評価も二重丸。和田監督は「重そう。今まであまり見たことのないタイプ。それにしてもいい球だな…。あまり散らばらず構えたところにいっている」と改めてほれ直した様子。他球団スコアラーも「球に力がある」と警戒を強めるなど、韓国球界最強ストッパーの前評判通りの“デビュー”となった。

 ところが、その一方で球団サイドは“肩透かし”を食っているという。ある営業関係者が不安そうな表情でこう話す。「韓国人の観光客が少しは来ると思ったんですけど、来ないですねぇ…。沖縄には、結構来ているらしいんですが…。シーズンのチケットは韓国の旅行代理店から問い合わせがあるから大丈夫だと思うんですが…」

 球団営業部は韓国人観客も見込み、キャンプに合わせてタオルなど呉昇桓グッズを製作した。だが、その売れ行きも「期待ほどではない」(別の営業関係者)という。ちなみにこの日、球場にやって来た韓国マスコミは1社のみ。韓国人アルバイトを雇い、ブルペンなどに韓国語の案内などを設置して万全の態勢を敷いていただけに、これまた予想外の結果だ。

 まだキャンプは始まったばかりとはいえ、ちょっとした誤算。球団サイドはこちらの面での“巻き返し”も期待している。