巨人・澤村拓一投手(25)が3日、右肩の不安を訴え、宮崎キャンプ3日目から二軍で調整することになった。もともとルーズショルダー(肩関節不安定症)を抱えているだけに澤村自身や首脳陣も「軽症」を強調しているが、一部の関係者からは“人災”を指摘する声も上がっている。

 この日、グラウンド入りした澤村は原監督に右肩の状態を報告。その後、別メニューで汗を流した。練習後には「僕は人より関節が緩い。痛みが伴うわけではないし、違和感もない。万全ではないということです」と軽症であることを強調。報道陣を見渡し「いつもより多いなあ。20人はいますよね」と話すなど、表情は明るかった。

 原監督が「早く全力で投げられるようになって戻ってきてくれれば」と話せば、川口投手総合コーチも「肩が緩いというのが、彼の特徴。去年は途中から中継ぎに回って、登板間隔が短くなった。その疲れが取れなくなったのもあると思う。この時期に勇気を持ってよく決断した」と大事を取った判断だったことを説明したが、一方で周囲からはこんな声も聞こえてくる。

「彼の一本気な性格を考えれば、早めに止めてあげるべきだったのではないか」(チーム関係者)

 ルーズショルダーを抱える澤村の異変は昨年の秋ごろから出ていた。自主トレ期間中もほかの投手が3日に2回ブルペン入りしていたのに対し、澤村は1回のみ。そんな状態だったにもかかわらず、指揮官の「2月1日に全力で投げられるように」という指令のもと、投手陣全員が初日にブルペン入りすることを決定。肩に不安を抱えながらもマウンドに立ち、案の定ワンバウンドを連発して周囲を心配させていた。実際に「僕自身、言いたくない気持ちもあった」と話しているように「投げられません」と言いづらい状況になっていたのは確かだ。

「1日でも1時間でも早くいい状態で上に戻ってきたい」と話した澤村。開幕ローテ入りするためにも焦りは禁物だ。