西武から巨人にFA移籍した片岡治大内野手(30)が成功する秘訣は甲子園の克服にあり――。こうアドバイスするのは片岡と同じ社会人・東京ガス―西武と同じ経歴を持つ直系の先輩で、本紙評論家の大友進氏(39)だ。

 大友氏は現役時代、西武で8年を過ごし最終年の2005年にトレードで西武から中日へ移籍した。パ・リーグからセ・リーグに移籍する場合の注意点は何か。自らの経験をもとに片岡に独自の「成功の秘訣」を語った。

「基本的に野球をすることは変わらないので体調を万全に整え、片岡には走攻守、持てる能力を最大限発揮してもらいたい」とエールを送る大友氏。パ・リーグとセ・リーグの野球の違いを「強いて挙げればDH制がないので、ゲームの終盤の投手交代機でベンチに下げられることがある。試合展開を読むスピードに早く慣れること」とし、巨人での成功のカギをズバリ「甲子園への早期適応」と断言した。

 というのも大友氏自身、中日へ移籍した05年に経験したその完全アウェー感に圧倒されたから。

「甲子園のアウェー感はパ・リーグの球場にはない独特のもの。とにかく雰囲気に圧倒されてしまうしヤジも容赦ない。それはヤフオクドームの比ではない。パ・リーグ育ちの選手はまずその環境の中でいかに自分のプレーができるかですよね。ボクのいた中日でさえすごいんですから巨人ならなおさら。逆にいえば甲子園でいきなり結果を出せるようならチームメートの信頼も早く勝ち取れる」(大友氏)

 3月28日からの開幕戦はその阪神と本拠地・東京ドームで幕を開ける。新天地での活躍はもちろんのこと、片岡にとって重要な甲子園での阪神戦は開幕5カード目(4月11~13日)に訪れる。巨人の新背番号8が真価を発揮する舞台はまずここだ。