米国で妻への暴行と監禁の疑いで逮捕され、保釈中のヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が29日、都内の球団事務所で会見を行った。

 会見には注目度の高さを示すように、海外のメディアを含む報道陣約80人、テレビカメラ12台が集結。衣笠球団社長、奥村編成部国際担当次長とともに出席したバレンティンは、一連の騒動に関して「ファンの皆さま、チームメートに謝りたい。これからキャンプが始まるので、一生懸命練習して、より良いシーズンを送れるように頑張りたい」と謝罪した。

 さらに、今季の目標について「チームの優勝。個人的には昨年と同様か、それ以上の活躍をすること。自分の活躍がチームの勝利のためになればいい」。昨季自身が樹立したシーズン60本塁打の記録更新とフォア・ザ・チームを誓った。

 そんな殊勝な態度のバレンティンに、チーム内からは「こうなれば一塁コンバートを受け入れるしかないだろう」という声が上がっている。同案はもともと昨シーズン終盤に小川監督がぶち上げたもの。

 昨季のヤクルトはバレンティンが打ちまくりながら、最下位に沈んだ。得点力アップと、外野の守備力アップを見込んでのコンバート案だったが、問題は「表向きは前向きだったが、実はバレンティンは難色を示していた」(チーム関係者)ことにあった。慣れないポジションに不安を感じていたという。

 しかし今回のような騒動を起こせば、そんなわがままも言っていられなくなる。会見に出席した衣笠球団社長は「昨年以上の活躍、野球に対する真摯な態度を見せることで日本の皆さまに理解していただきたい」と話した。今までは成績が出ていたこともあって大目に見ていたが、今後は厳しい目で見守るつもりだ。

 当のバレンティンも今回ばかりは白旗モードで、一塁コンバートについても「やったことのないポジション。ただ必要とされることであれば、何でもやりたい。そのための準備はできている」と苦笑しつつも、前向きに答えざるを得なかった。

 騒動のみそぎはやはり本業の野球で果たすしかないということか。