ソフトバンクの監督・コーチ会議が23日にヤフオクドームで行われ、宮崎春季キャンプの“サドンデス化”の方針が打ち出された。オフの大補強で特に投手陣の戦力は重厚。秋山監督も例年以上の積極的な一、二軍の入れ替えを示唆した。競争はシ烈を極めることになりそうだ。

 2月1日からスタートする宮崎・春季キャンプについて、秋山監督がその方向性を語った。

「A組(一軍)、B組(二軍)に分かれてスタートするけど、キャンプでもドンドン入れ替えがあるだろうし、昨年以上に競争意識が(選手にも)あると思う。例年以上に激しいキャンプになるんじゃないか」

 今オフは大補強を敢行した。FAで鶴岡(前日本ハム)中田(前中日)を獲得し、助っ人としても李大浩(前オリックス)、スタンリッジ(前阪神、)サファテ(前西武)、ウルフ(前日本ハム)を補強。一昨季に活躍した岡島(前アスレチックス)も出戻り入団した。特に投手は、実績のある選手がズラリと揃った。

 ただ、若手にもチャンスがないわけではない。当然ながらキャンプインは実績のある選手がA組スタート。新人選手の全員B組スタートが内定するなど、若手にとっては厳しい発進となるが「2月1日に合わせてと言っているわけだし、遅れるようなら入れ替えということもあるでしょう」(山内ファーム投手チーフコーチ)。

 ソフトバンクの宮崎キャンプは生目の杜で一軍から三軍が練習する。例年以上に頭数が多い以上、A組スタートでも隙を見せれば、猛アピールするB組選手に取って代わられる。サバイバルの要素は例年以上だ。

 そんな中での脱落“第1号”ともいえるのが、来日前年(2012年)にメジャー球宴にも出場したラヘアだろう。球団はこの日、2年契約を解除しての退団を発表。小林海外兼中長期戦略担当部長は「補強をする中でこういう結果になりました。お互いにとってベターだと思う」と語った。

 退団前の時点で外国人が総勢8人。そこから一軍枠4人に入る競争の中で、李大浩ら4人の国内移籍組が万全なら、昨季の結果が乏しいラヘアが外れる確率は高かった。それが“決戦前”の退団につながった格好。王球団会長も「残念だけどね。本人としても試合に出たいというのがあるだろうからね」と話した。

 競争はキャンプ前の現段階で予断を許さない状況だ。秋山監督は生目の杜のキーマンについて「全員だと思う」。鷹ナインにとっては気の抜けない日々となりそうだ。