復活を期すオリックスのT―岡田外野手(25)に首脳陣から元本塁打王の“肩書返上指令”が出されている。Tは2010年に33本塁打でタイトルを獲得したが、以降は打撃不振に苦しんできた。大砲復活がチームの浮沈を大きく左右するとあって、森脇監督から登録名を変更して心機一転を促されるほどだ。

 ある首脳陣によれば、Tの問題点は意識面にあるという。「元本塁打王の意識を捨てろと言ったんだ。Tは低めをきれいにはじき返せる優れた技術を持っている。低めをヒットにすることで自然と角度がついてくるんだ。そこを磨けば本塁打はあとからついてくるのに、本塁打を意識しすぎて打ち損ねて悪循環になってしまう。その繰り返し。ずっと“本塁打王復活”にこだわってるんだよ」(あるコーチ)

 ここ3年、本塁打が16本→10本→4本と激減しており、昨季は故障も重なって58試合の出場にとどまった。「元本塁打王の気持ちは持ち続けていたい。それを忘れてはいけないと思う」とTが胸に秘めるプライドが打席で復活の“邪魔”をしているというわけだ。

 オフから減量に取り組むなどTは「野球人生がかかってくるくらいの1年」と悲壮な決意で神戸でバットを振り続けている。果たしてプライドまでリセットできるか…。