ソフトバンクが若手投手陣に「馬原を目指せ!」とハッパをかけている。

 今オフは投手陣の大補強を敢行し、先発候補として中田賢一(31=前中日)、ブライアン・ウルフ(33=前日本ハム)、ジェイソン・スタンリッジ(35=前阪神)を獲得。若手にとっては付け入る隙がない陣容となったが、チーム関係者は馬原孝浩投手(33=オリックス)の名前を出してこう言う。

「確かに今年のウチは投手があふれ返っているし若手にとってチャンスは限りなく少ない。ただ、投げる場所さえあれば、何かしらのチャンスは必ず生まれる。馬原がリリーフに転向して(2005年にプロ2年目で)守護神になった時も、最初は似たような状況だった」

 その年は斉藤和巳(引退)、杉内(現巨人)、和田(現カブス)、新垣の先発4枚が盤石で、全員が2桁勝利を挙げて合計56勝を荒稼ぎしたシーズン。馬原は先発で開幕を迎えたが、結果を残せずに序盤で二軍落ち。しかし、そこから中継ぎに転向し、チャンスをものにして、ついには守護神の座をつかんだ。そんな例があるのだから、というわけ。

 大補強後の若手のモチベーション維持。こちらの問題も大変なようだ。