「原監督も男だ」阿部発言で巨人結束

2012年07月10日 12時00分

 巨人の頼れる主将・阿部慎之助——月間MVP男はグラウンド外での活躍も目立っている。

 巨人に驚天動地の騒ぎを巻き起こした原監督の1億円スキャンダルが発覚し、球団が会見対応などに追われたのは6月20日のこと。長野へのチーム移動日となった翌21日は現場に大きな動揺が広がりつつあった。事が指揮官の身の上のことだけに誰もが気になりながらも口にできず、チームには異様なムードが充満。そんな浮き足立った空気を感じ取り、率先して行動に移したのが阿部だった。

「選手を全員集めてもらえますか」。長野に到着するなり、チームスタッフに阿部が願い出た。首脳陣はその場にいない。選手と一部関係者だけが出席した緊急ミーティングで主将が口を開いた。しばし他愛もない話でナインの緊張を解くと阿部は、この一言を口にした。

「監督も男だ」

 その後は野球に集中するよう真剣に説いたという。

 原監督が長野の宿舎で選手に謝罪したのは、その直後のことだ。チーム関係者は「慎之助の言葉でみんなが落ち着きを取り戻した」と明かす。実際、ある若手も「阿部さんの話を聞いて『余計なことに振り回されてはダメだな』という気持ちになりました」と話した。

 6月は打率3割3分8厘、6本塁打をマークして月間MVPに選ばれた。捕手として4度目の月間MVP受賞は、あの古田敦也氏(元ヤクルト)に並ぶ快挙。試合前に東京ドームのベンチ裏で行われた会見で阿部は「本当にうれしい。まだぴんとこないが、また取れるように頑張りたい」と喜びを表した。

 首位をがっちりキープする巨人は、球界を揺るがす1億円スキャンダルもどこ吹く風。快進撃を続けている裏には、頼れる主将のバットと絶妙な気配りがある。