西武ホールディングス(HD)が、14年度早期の株式上場で大株主の米投資会社サーベラスと合意したことが14日、分かった。近く東京証券取引所に申請する方針で、約10年ぶりの再上場が実現する見通しとなった。

 関係者によると、西武HDが議決権ベースで35・48%の西武HD株を持つサーベラスに対し、市場での流動性を高めるため上場時に保有株を一部売却するよう要請。サーベラスが受け入れたことで、上場に向けての話し合いが進んだもよう。

 ただ、晴れて再上場となれば「再生のシンボル」と位置づけられていた西武ライオンズの“役目”は終わったことにもなるが…。球団の身売りはあるのか。都内の自宅前で後藤高志オーナーを直撃した。

 ――ライオンズに関して、仮に再上場が実現した後も「グループのシンボル」という位置づけは変わらないのか

 後藤オーナー:それは上場とは全く切り離している。ライオンズというのは西武グループのシンボルですから。プロ野球の球団として社会的公共財でもある。西武グループとしてもさらに強い球団にしていく努力をする。それはもうハッキリいえる。売却ということは当たり前だけど一切ありませんから。サーべラスとはライオンズうんぬんかんぬん、おととしあたりからゴタゴタありましたけど、私はそもそもそういう話(球団売却)が俎上にのぼるとかあり得ないと思っている。ライオンズはとにかく大切な宝ですから優勝を目指して頑張ってもらいたい。

 上場後も売却する考えはみじんもないことを強調した後藤オーナー。親会社とともに、かつての常勝軍団の再建もなるか。