広島が、巨人にFA移籍の大竹寛投手(30)の人的補償として獲得した一岡竜司投手(23)を大化けさせようと張り切っている。

 松田オーナーが「キレのある速いボールを投げられる。若いし、将来性もある」と期待すれば、畝投手兼分析コーチは「フォークが2種類あってストライクも取れる」とニンマリ。一岡は巨人で通算13試合に登板して勝ち負けなしで防御率4・70。通算246試合に登板して74勝78敗17セーブ、防御率3・75の大竹と実績は違いすぎるが、赤ヘルサイドは磨けば光る原石とみている。

 それどころか、こんな声まで出ている。「一岡は適度に荒れて球速が150キロを超える。これは打者には厄介。そういう点では、ウチで抑えをやったりしていた時代の大竹に似ているかもしれない。大竹も一岡と同じようにフォークを投げていたしね」とチーム関係者。“大竹2世”にもなれるとにらんでいるのだ。

 大竹はプロ3年目に6勝5敗17セーブと大車輪の活躍できっかけをつかみ、その後、先発ローテーション投手として定着したが、一岡についても「それだけのものを持っている。先発にしても、中継ぎでやるにしてもチームの柱になってほしい」と、とにかくぞっこん。選手育成に定評ある広島は、その力を結集して一岡を一本立ちさせるつもりだ。