巨人・坂本勇人内野手(25)がいままでにないほど危機感を募らせている。グアムでの自主トレを2日後に控えた7日、突如ジャイアンツ球場に姿を現し練習を開始。この日は、西武からFA移籍の片岡治大内野手(30)が別の場所で自主トレを公開しており、それを意識してのものなのか。激化必至の内野手争いが早くも幕を開けた。

 若手選手がちらほら練習を行っていたジャイアンツ球場の静けさを、車の爆音が切り裂いた。阿部ら主力選手と行うグアム自主トレで本格始動するはずの坂本が、突如やってきたのだ。

 室内練習場で約2時間半、ダッシュやキャッチボール、ウエートで汗を流すと「始動? 今日から始動では遅いですから」とサラリ。すでに別の場所でティー打撃やトレーニングを行っていることを明かした。

 原監督が7、8番に据えるくらいなら起用しないと話したことについて、坂本は「(自分も)そういう気持ちでいるが、そんなことを気にしてやっている場合じゃない。ベストな状態でキャンプに入って、オープン戦、シーズンとやって、それで外されたなら自分の力がないだけですから」。

 キャンプ、オープン戦では井端、片岡とポジション争いを繰り広げることになる。その井端と片岡が、自分の“コーチ役、サポート役”としても期待されているという声もある。これにも坂本は「メディアがそんなことを言っている意味がわからない。僕よりもうまい人もいるわけだし(自分も)ちゃんとやれば試合にも出られるだろうし」と口をとがらせた。

 一方、片岡はこの日、都内で自主トレを公開。「今から重みを感じながら、という意味でつけさせていただいた」と新背番号の「8」が刺しゅうされたジャージーを着て約3時間汗を流した。

 負傷で心配される左ヒザは、走り込みや食事量を抑えるなどして体重を4キロ減量。オフは負担をかけないように気を配ったが、状態は上向きとあって「目標は高く持ってセ・リーグでも盗塁王を取れるように頑張りたい」と、史上2人目の両リーグ盗塁王へ決意を口にした。

 片岡の自主トレ公開日にあわせたこの日の坂本の動きは、片岡に対する“宣戦布告”ということか。坂本、片岡、そして井端。果たして勝つのは誰か。目が離せなくなってきた。