ソフトバンク・秋山監督が就任6年目の2014年シーズンに向けて、12球団屈指の人数を誇る先発候補に“聖域なきサバイバル”を課す。例外は絶対エースの摂津だけ。ほかはベテラン、若手やこれまでの実績などは関係なくハイレベルな競争を行わせる。勝ち残った“精鋭”5人と攝津には、ローテーションを最後まで守らせ、安定した戦いを目指す。

 昨季は先発陣が崩壊寸前となり、それが原因でBクラスに低迷した。秋山監督は14年シーズンのリーグ制覇と日本一奪回を見据え、先発候補に厳しい“生き残り競争”を行わせる考えだ。「競争は激しくなる。決まってるのは摂津くらい。紅白戦からオープン戦を見て調子のいい人を使っていく」
 
 このオフには中日からFA宣言し入団した中田賢、前阪神のスタンリッジ、日本ハムのウルフを獲得。3人の加入で、先発候補の数は15人を上回る。この中で来季のローテーション入りが確約されているのはエースの摂津だけ。あとの選手には“完全成果主義”での先発枠争いをさせるつもりだ。
 
 13年シーズンはリリーフ陣の防御率が2・72だったのに対し、先発は4・14。その先発の中で2桁勝利、規定投球回数に達したのはエース・摂津だけだ。
 
 ローテーションをなかなか固定できず、リーグ最多の18人が先発登板するという自体になり、秋山監督は「昨年に関して言えば先発が定まらなかったのが一番。6人で回っていくところから故障とかがあっても10人とか12人とかでいけるのに、6の3倍だからな…」とため息交じりに振り返った。
 
 2年連続で同じようなことになってはまずい。そこでまずは摂津を除く先発候補に横一線で競争させ、勝ち残った精鋭には意地でも1年間ローテを守らせる。秋山監督が思い描いているのは日本一に輝いた11年のシーズンだ。
 
 この年の先発陣は和田、杉内、ホールトン、摂津の柱がガッチリと固定され、4人で合計57勝をマークした。先発登板したのは9人。「(6人のうち)残り2枠をどこで埋めていくかだった。そういう面でドシッと構えて野球ができたと思う」(秋山監督)
 
 先発を固定できれば、先行逃げ切りの形も作れる。秋山監督は「いいスタートを切って、いい形で最後までいきたい」と力強く誓った。