中村紀がDeNAの“肩たたき”契約にキレなかった理由

2013年11月30日 16時00分

契約更改を無事に済ませた中村紀は笑顔で報道陣のぶら下がり取材に対応

 5月に2000安打を達成したDeNAの中村紀洋内野手(40)が29日、おとなしく契約更改を済ませた。FA権を持つ中村に対し、球団は10月下旬の下交渉で日本シリーズ終了までに球団の提示する金額で合意しなければ契約しないと通達。戦力外をちらつかせる少々強引な交渉にはDeNA選手会も異議を唱えたほど。それでも中村が2000万円増の5000万円+出来高払いで気持ちよくサインをしたのは、恩師による説得があったからだ。


 主に5番を任された中村は122試合に出場し打率2割8分1厘、14本塁打、61打点をマーク。全盛期と比べれば物足りない数字だが、4番のブランコが打率と打点の2冠に輝いたのは後ろを打つ中村のおかげと言っても過言ではない。とかくワガママと思われがちだが、若手野手に信奉者も多く、成長著しい梶谷などは積極的にアドバイスを求めるほど。さらに守備での貢献度も高いことから、チーム内では「普通に査定すれば1億円以上の価値」という声も。


 しかしフタを開けてみれば、低評価でも納得して残留するか、蹴って自由契約になるかの二者択一。「バカにするな!」とブチ切れても不思議ではなかったが、暴発寸前の中村を思いとどまらせたのが、近鉄時代の恩師でもある梨田昌孝氏(現評論家)だという。具体的な内容は2人だけが知るところだが、年齢的なことも考えて引くところは引くべき…といったアドバイスだったようだ。


 契約更改後に「球団には、選手にも夢を見せてほしいと話した。来年は今年以上の成績を残してCSに出てベイスターズファンと喜びを分かち合いたい」と話したのは、せめてもの意地か。事実上の“肩たたき”にもめげなかった中村は、バットで悔しさを晴らす。(金額は推定)