究極〝魔球〟で進化する吉見

2012年06月30日 18時00分

 中日・吉見一起投手(27)が26日の阪神戦に8回1失点と好投し、5勝目をマークした。今季は左太もも裏を痛め、1か月以上も戦列を離れたが復帰してから2連勝。さすがの投球に高木監督も「安定しているね」と目を細めた。

 そんな吉見は今、究極とも言えるボールの完全習得を目指している。それは、抜いて投げているにもかかわらずキレが増す〝魔球〟だ。きっかけは他球団の主力投手のピッチングだった。「館山さん(ヤクルト)や内海さん(巨人)、マエケン(前田健=広島)もそうですけど、主力の投手は場面によって抜いて投げているように見える時があるんです。本人が本当に抜いているかは分かりませんが、外からはそう見える。それで自分も試してみようと思ったんです。遊びって言ったら言葉は悪いですがいろいろやってみようと…」

 吉見は抜いて投げるケースを走者のいない場面でなおかつ「データや肌で感じて絶対に(相手打者が)打ってこないと感じた時」に限定。「すべてを目一杯投げていたら、なかなか9回はもたない。強弱をつけることも大事だと思う」と抜いて投げることがスタミナ温存につながる狙いもあったが、やってみると思わぬ発見が…。力一杯投げ込んだ最高のボールに勝るとも劣らないボールになることがあったのだ。

 この日の阪神戦では「3回の藤井(彰)さんに投げた初球。何キロかは分かりませんが(実際は138キロ)『これだっ!』って思いました」と吉見は言う。エースとしての風格が漂ってきた中、まだまだ進化するつもりだ。