小久保の次の夢はリアル自伝

2012年06月29日 12時00分

 史上41人目の2000本安打を達成したソフトバンクの小久保裕紀内野手(40)。苦難の末に大願成就した小久保だが、将来の夢はまだある。すべて自筆による自伝本を出版することだ。栄光と波乱に満ちた野球人生を自らの言葉でしたためる覚悟だ。

 2000年8月18日、尊敬する秋山幸二監督(50=当時ダイエー)が2000本安打を達成した際に「僕にもできますかね」と思いをはせた男がついに夢を現実にした。
 満身創痍の道程だった。03年に右膝の故障で1年間を棒に振り、その後は首痛に悩まされる。手術を行って万全を期して臨んだ今季は腰痛…。

 秋には41歳になる。「一年、一年やっていく中で悔いだけは残したくないからな。それくらいの気持ちでということ」と〝引退〟の2文字も常に頭の中に置いて戦い続けている。

 そんな小久保が「やってみたいというか、自分の人生計画の一つとしてあること」と明かすのが、その波瀾万丈の野球人生を記した「自叙伝」を自らの筆で書き上げることだ。今年、出版社から取材を基にライターが〝代筆〟する形でのオファーを「話はあったけど(将来的に)自分で書くって言いました」と断っている。

 引退後の現実的な夢とはいえ、野球選手が一冊の本を自分の手でゼロから完成させるとなれば、その労力は大変なもの。ただ、小久保なら無理な話ではない。これまでも講演などで自らの野球人生を振り返った際の表現力に周囲は驚くばかりだった。聴衆をひきつけ、決められた時間で話をまとめ上げる才能にもたけている。

 移動の際に本を欠かさないほどの読書家で「読むのは自己啓発書が多いけどね。小説では今は司馬遼太郎先生の本」がお気に入りだ。今季は「竜馬がゆく」を読み終え「坂の上の雲」(ともに司馬遼太郎著)を読み進めている。

 計8度に及ぶ手術、波紋を広げた巨人への無償トレード、今回の偉業達成直前での離脱…すべての逆境をプラスのパワーに変えてきた不屈の男。ファンならずとも大作に期待が集まる。