阪神が“若鯉潰し”へ奇策

2013年10月03日 16時00分

勝機を見いだすことができない完敗にうつむきがちな和田監督

 阪神が2日、クライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージの前哨戦となる広島戦(マツダ)で2―7と完敗した。9月以降は赤ヘル軍団に1勝4敗と負け越しており、嫌なイメージを抱いたまま12日からの本番に突入する。そんな中、首脳陣は、この勢いの差を逆転するためには正攻法だけでは難しいと判断。奇襲による“若鯉潰し”も画策している。

 

 スタンリッジら投手陣が5回までに7失点。打線も序盤の得点機を何度も逃し、大差がついた後に2点を奪うのが精一杯と圧倒された。シーズン終盤の両軍の勢いの差を象徴するような一戦に和田監督も「分が悪いが、振り返ってはいられない」とぶぜんとするしかなかった。

 

 首脳陣も「チーム状態が雲泥の差だ。ウチの状態が良ければ、正面からぶつかって行けばいいんだろうけど、今はそういう状況ではない。何とか、こっちが流れをつかむような戦い方を考えないといけない」と危機感タップリだ。

 

 そこで注目したのが広島の菊池涼介内野手(23)だ。2年目の菊池は広い守備範囲に定評があり、9月26日にはセ・リーグ新記録となる二塁手497補殺を達成。阪神も再三、安打性の打球を好捕されており、和田監督が敗戦後に「菊池1人にやられた」と悔しがったこともあるほどだ。

 

 この広島の原動力となっている菊池を“封印”してしまおうというのだ。コーチの1人は「菊池の守備はチームに勢いを与える。守備でいいリズムをつくって攻撃につなげている。広島を勢いづかせないためには、できるだけ菊池にプレーさせないのが一番。全員が二塁と逆の左方向を狙って打つという極端な考え方もある」と明かす。

 

 徹底して左方向を狙うことで本来の打撃を崩してしまうという危険性も考えられるが、別のコーチは「調子が良い時は変な制約をしない方がいいけど、今は不調の選手が多い。こういう時は逆に思い切った制約をすることで復調のきっかけになるケースもある」と指摘。深刻な不振が続く虎打撃陣にもプラス効果が期待できるという。

 

 失速したまま終戦となれば、残るのはむなしい敗北感だけ。いい形で今季を締めくくるためには奇策も辞さない覚悟だ。