斉藤氏引退セレモニー「今はケガをして良かったと素直に思う」

2013年09月29日 11時20分

始球式を終えた斉藤氏(左)と城島氏(右)

 7月にソフトバンクを退団した“鷹の大エース”斉藤和巳氏の引退セレモニーが28日、ヤフオクドームで行われた。

 

 かつての大エースはチームメートに抱えられ、ヤフオクドームの大観衆の前で6度、宙に舞った。セレモニーが決まってからの時間は「撮りためているバラエティー番組を見ても全然笑えない」。自らの花道を前に緊張と不安でいっぱいだった。

 

 午前中は王貞治ベースボールミュージアムでの自身の特設コーナーで自らの現役時代を振り返り、試合前にはメモリアルピッチを披露。昨年引退した城島健司氏がミットを構える中、渾身の一球を投じたものの「あぁ!」と声が漏れる失投。2球目、3球目と立て続けにワンバウンド投球となったが、ようやく4球目で右にそれながらもノーバンでミットに収めた。「1球で終わる予定だったんだけど…。でも独特のオーラは全盛期のままだった」。城島氏も賛辞を送った。

 

 笑顔だった斉藤氏がついに感極まったのは、試合後のセレモニーでスペシャルゲスト・小久保裕紀氏が登場した時。“アニキ”と慕った先輩に「今日、大分にいると聞いていたのでまさか来ていただけるなんて」と驚きを隠さなかった。

 

 今後については未定だが、王会長からは「今までの経験をこれからの人生に生かしなさい」と声を掛けられた。「18年間ケガに始まりケガに終わったが、ケガしたことで大事な先輩と出会い、いろいろなことに気付けたので今はケガをして良かったと素直に思う。プロ野球選手は夢と希望を与えるものと言われるが、逆にそういうものを与えてもらった」。仲間が作ってくれた最高の花道を通り、元エースは新たな人生に向けて踏み出した。