上原が語る「ファンに愛された瞬間」

2013年09月25日 11時00分

 2013年9月20日(日本時間21日)、本拠地フェンウェイ・パークでレッドソックスはブルージェイズに6―3で快勝し、6年ぶりにア・リーグ東地区を制した。最後の打者ローリーのバットに空を切らせ、優勝を決めたのは絶対守護神・上原浩治投手(38)だった。日本人投手では2001年の佐々木主浩(マリナーズ)に続く2人目の胴上げ投手だ。感激の瞬間を振り返ってもらった。

 

上原浩治「中継ぎピッチャーズバイブル」(優勝特別編)

 野球人生初の胴上げ投手になった上原は「なんか不思議な感覚やった」という。こう続けた。「8回(の登板)は急で、投げる準備もしていなかったので、9回は間違いなく疲れていた。ただ、そこまでむちゃくちゃ気持ちが高ぶるっていうわけではなかった。自分で(感情を)抑えたつもりはない。そういうのは勝手に高ぶるもの。これまでの経験もあるが、まだ頂点まで来ていないという思いもあった」

 透明のビニールシートで覆われた試合後のロッカールーム。上原はシャンパンファイトで思いっきりはじけると「あと3回やりたい」。地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、そしてワールドシリーズでの勝利を誓った。

 シャンパンファイトが一段落すると、選手たちは家族が待つフィールドへ向かった。上原の目に、予想もしなかった光景が飛び込んできた。一塁側スタンドに何千人ものファンが残っていたのだ。そして「コージ!」「コージ!」の大合唱が始まると、思わずベンチの上に駆け上がり、ファンにも優勝の美酒を浴びせ、笑顔でハイタッチ。ファンも大喜びだ。

「こういうのは日本ではできない。一緒に喜びを分かち合えるというのはすごくいいこと。勝ったからできたこと。アメリカではファンと触れあうことができる。ファンの手のぬくもりも感じたが、とにかく一緒に喜ぶことができて良かった」

 上原を愛してくれるのはファンだけではない。チームメートもだ。優勝決定直後はハグの嵐、シャンパンファイトでは何度も美酒を浴びせられた。上原がここまでの存在になったのはクローザーとしてマウンドで結果を出したのはもちろんだが、自らチームメートに歩み寄った。