株主に糾弾され福留獲り見直し

2012年06月23日 18時00分

 阪神が「チーム強化政策」の見直しを迫られている。スカウト会議で南信男球団社長(57)が「4番」「エース」の獲得を厳命。これまで以上にドラフトでのスター選手の獲得、生え抜き選手の育成に力を入れる方針だ。このため、水面下で調査を進めていた福留孝介外野手(35=ホワイトソックスから戦力外通告)などの補強戦略にも影響が出そうだ。

 スカウト会議に出席した南社長は、親会社・阪急阪神ホールディングスの定時株主総会で編成方針を批判されたことなどを報告。その上で「身体能力が高く、野球脳を持っている選手。エースや4番を張れる選手。そして、タイガースは特殊な事情もあるので精神力も強い選手を獲ってもらいたい」と訓示した。ここ数年、世代交代が最大の課題となっているだけに素材発掘を担当するスカウト陣に活を入れた。

 球団幹部が「以前から若手の育成には力を入れてきた。あくまでも基本はドラフトで獲得した選手を自前で育てること。どうしても戦力的に補充しなければいけないところがあるという時には外部からの補強に頼ることになる」と説明するように、フロントでは生え抜きスターの発掘、育成を目指してきた。

 ところが、株主総会で「若手が育っていない。城島、小林宏と給料が高い選手ばかり集め、不良債権を抱えているとしか思えない。今は弱くてもいい。5年、10年後に強いタイガースにしてほしい」と株主に糾弾されたように、なかなか進まない世代交代に周囲の目も厳しくなっている。

 それを踏まえてチーム関係者はこう話す。「こうなってくると、これまで以上に外部からの補強は慎重に進めなくてはいけないだろう。失敗すれば、また批判される。獲得した選手も変な重圧の中でプレーしなければいけなくなってしまう。補強ではなく育成で戦力整備をすることを最優先に考えないといけない」。調査を進めてきた福留や、ツインズ傘下の3Aでプレーしている西岡剛内野手(27)に関しても獲得を見送る可能性もある状況となってきたのだ。

 まずは若虎スターの育成。それに球団を挙げて全力で取り組むことになる。