広島・野村“聖地”でリベンジ

2013年08月31日 11時00分

自身初となる2桁勝利に王手をかけた野村

“思い出の聖地”で文句なしの投球だ。広島は30日の阪神戦(甲子園)に3ー0で快勝し、連敗を2で止めた。先発した野村は広陵(広島)時代に逆転満塁弾を浴びた高3夏の選手権大会決勝戦以来の甲子園のマウンドとなったが、阪神打線を8回まで3安打に封じて、今季9勝目をマーク。自身初となる2桁勝利に王手をかけた。当たりが止まっていた打線もようやく爆発。3回に集中打で3点を奪い、好投する右腕を援護した。

 ピンチになっても慌てる様子はみじんもなかった。3点リードの5回、連打を浴びて二死一、三塁のピンチで打席には代打・福留。チャンスに沸く虎党を気にも留めず2ストライクに追い込むと最後は内角の直球で見逃し三振に切って取り、スコアボードにゼロを並べた。

 野村にとっては忘れたくても忘れられない場所だ。広陵時代の2007年、夏の甲子園決勝の佐賀北戦。エースだった野村は7回まで完璧に抑えながらも、8回に劇的な満塁アーチを浴びて日本一を逃した経験がある。当時のことについては「そんなに思い出さないですけどね」と多くは語らない。しかし、奇しくもそのときと同日となった今年の高校野球の決勝戦もテレビで観戦するなど思い入れはある。

 それ以来となる甲子園での登板。ただ、当時と違うのは、投手として成長したということだった。新人王に輝いた昨季、年間で2個だった死球の数は今季ここまでで6個と激増。「うまく内角を使えているということでもある」(山内投手コーチ)と投球の幅を広げるための結果だという。これが奏功し、この日も8回まで無失点に抑えて勝ち星で昨季の9勝に並んだ。

 2戦連続完封負けを喫していた打線も目を覚ました。対戦したここ2戦では3得点しか取れていなかった阪神・メッセンジャーに対して3回に猛打を浴びせた。一死三塁から松山が左前への適時打を放って先制点。「腕を畳んで上手く打てた」という一打で勢いづくと木村の絶妙なバント安打と石原の四球でチャンス拡大し、野村が右前へ適時打。右翼手・今成が処理にもたつく間に木村も生還して一気に3点を奪った。

 先発投手が粘り、打線が援護。投打の噛み合った試合で8月の勝ち越しも決まった。気の抜けない3位争いが続くが、この戦いを続けられれば、悲願のCS進出も遠くはないはずだ。