澤村が巨人のアキレス腱に!?

2013年08月31日 16時00分

4回、新井貴に適時打を浴びる澤村(29日、東京ドーム)

 セ・リーグの首位攻防戦第3ラウンド(29日、東京ドーム)は延長10回に長野久義外野手(28)のサヨナラ弾が飛び出した巨人が3―2で快勝。ライバルを3タテし、優勝マジックを23とした。そんななか、ひとり浮かない表情だったのが先発の澤村拓一(25)だ。この日も7回2失点ながら白星はおあずけ。2か月以上も勝利から見放されている右腕への原辰徳監督(55)の対応にも変化が起きているという。

 

 

 また勝てなかった。6月21日の中日戦(前橋)で4勝目を挙げて以降、白星から完全に見放されている澤村は「一人でやっているわけではない。(チームが)結果的に勝てたのは大きいが、自分の勝ち負けは自分でコントロールできないので」と気丈に話したが、依然として心のモヤモヤは解消されないままだ。原監督は「本人も苦しいでしょうけど、あえて大きくなる試練だと思ってね。冷静に受け止めて次につなげてもらいたい。調子そのものは非常にいいわけですから」と気遣ったが、どれだけ好投していても肝心な場面で失点するケースの多い右腕に対する思いは微妙に変化しているようだ。チーム関係者が明かす。

 

「やっぱりここまで勝ててないわけだからね。周囲には『全部100%のボールを投げたがる。70%で投げることを覚えてほしいんだけど…』とボヤいたりしているよ」

 

 言いたいことは山ほどあるが、アドバイスなどの類いを一切語ることはせず、ひたすら本人が這い上がってくるのを待っているというのだ。

 

 今年に入って指揮官は澤村に対してさまざまなアプローチを試みた。オフには「2年連続2桁勝ってはいるけど、いくつ貯金したの?」と苦言を呈し、ストッパー構想を示唆。先発投手としての奮起を促すと、開幕前には「投のキーマン」に指名してプレッシャーをかけた。白星から遠ざかってからは、CSまでに気持ちを腐らせてはいけないと、首脳陣も含めて“澤村擁護”へと移行。そして今、指揮官のスタンスは「自力で這い上がれ」といわんばかりの完全な「放任」へと変化している。

 

 2か月以上も勝ち星から遠ざかっていても指揮官が先発で起用し続けるのは球界屈指と言われる直球の威力を評価しているからこそ。あの手この手で刺激を与えているのは、一本立ちしてほしいとの願いが込められているからだが、その思いはいつになったら澤村のハートに届くのか…。