〝この戦力〟で広島3連勝

2012年06月15日 12時00分

 やればできる――。主力打者が相次いでリタイアしている広島打線が14日のロッテ戦(QVC)で一念発起。2戦連続の2桁安打で6点を奪い、引き分けを挟んで3連勝を飾った。投げては前田健太(24)が8回1失点、7奪三振の力投で、6勝目をマーク。3年ぶりとなる交流戦勝ち越しに望みをつないだ。

 

 敗色濃厚な試合を引き分けに持ち込んだ前夜13日の勢いは一夜明けても止まらなかった。初回だ。先頭の天谷が右翼フェンス直撃の二塁打で出塁。続く小窪がキッチリと犠打を決めると、梵の右犠飛で先制だ。「追い込まれていたから、最低でも走者を還したかった。(三走の)天谷が良くスタートを切ってくれました」。3回には二死満塁から赤松の適時打で2点を加えた。

 

 今季は4月末に、主砲の栗原が右肘痛で戦線離脱。さらに、ここへきて東出やニックまでが試合中のアクシデントからリタイヤするなど、野手陣は〝野戦病院〟と化している。最近では他チームの関係者からも「この戦力では厳しいよね」と同情されているほどだが、ものは考えようだ。浅井打撃コーチが「ウチはどの打順にも代打を出す可能性がある」と話すように、スローガン通り「破天荒」な戦い方ができるのは〝強み〟でもある。

 

 典型的だったのが2点リードで迎えた5回。一死二、三塁のチャンスをつかむと、野村監督は6番・DHの会沢に代えて、この日が41回目の誕生日のベテラン・前田智を投入。中犠飛であっさりと追加点を奪った。

 

 エース・前田健にとっては十分すぎる援護だった。間のある独特のフォームもあって「(強風が吹くと)バランスを崩しやすい」と幕張の海風を警戒していたが、この日はQVCでは〝無風〟に近い風速3メートル。エースの投球を邪魔するものは何もなかった。

 

 今季の交流戦での先発はこれが最後。次回の登板までは間隔も空く。それだけに「結果も大事ですが、内容も大事。それに、できるだけ長いイニングを投げたい」。この交流戦期間中には、不用意な言動から物議を醸したこともあった。特に波紋が広がることもなかったが、節目の試合でケジメをつけておきたいとの思いもあったのだろう。3回に井口に適時打を許したものの、危なげない投球で好調なロッテ打線を粛々と料理。追加点は許さなかった。

 

 エースの力投に打線が応える理想的な展開で、引き分けを挟み3連勝。週末の西武との2連戦で3年ぶりの交流戦勝ち越しを目指す。