松井&トーリ氏〝師弟コンビ〟再結成へ

2012年06月15日 12時00分

 レイズの松井秀喜外野手(37)が米国の恩師と再び師弟コンビを結成する可能性が高まってきた。レイズでシニアアドバイザーを務めるドン・ジマー氏(81=元ヤンキースベンチコーチ)が自身の高齢化を理由に今夏の退任を示唆。後任候補として元ヤンキース監督で現米大リーグ機構(MLB)副会長のジョー・トーリ氏(71)を指名しているという。ヤ軍で密な師弟関係を築き上げた同氏の入閣は松井にとって渡りに船。実現すれば、強力な援軍となりそうだ。

 

 ゴジラには「朗報」と言えるのではないか。レイズの新シニアアドバイザー候補にトーリ氏の名前が急浮上している。

 

 発端は現シニアアドバイザーのジマー氏が、退任の意向を周囲に打ち明けていること。そして「後任にはジョー(トーリ氏)を推したい」と口にしている点だ。ジマー氏は1996年から2003年までヤンキースのベンチコーチとして当時監督のトーリ氏を支えていた。両者は今も緊密に連絡を取り合っており、いわば「盟友」の関係にある。

 

 トーリ氏は現在、試合運営などを担当するMLB副会長を務めているが「会長職と違って大事な権限を持たされておらず、実際はメジャー各球団の行脚などPR的な仕事が主な職務。ジョーも自分が〝フィギュアヘッド(お飾り)〟であることを分かっていて現職に嫌気がさしている」(メジャー関係者)という。

 

 実際、今年1月には経営破たんしたドジャースの買収を進めていたデベロッパー・グループに参加するため同副会長職を退任。しかし、その後にMLB側から再度ラブコールを受けて「私の代わりに誰もいないならば…」と渋々復職した経緯もある。

 

「『他の仕事があれば副会長はいつ辞してもいい』というのがジョーのスタンス。しかも盟友のジマーから強くお願いされれば、ジョーも『NO』とは言えない。彼は映画『ゴッドファーザー』をこよなく愛することからも分かるように、ジマーを『ファミリーの一員』と言い切っている。来月中にもジョーが現職を辞任し、ジマーに代わってレイズの新シニアアドバイザーに就任するのではないか」(前出の関係者)

 

 そうなれば、松井は万々歳だろう。03年のメジャー移籍1年目から07年までの5シーズン、ヤ軍監督だったトーリ氏に師事。03年のシーズン序盤で「ゴロキング」とやゆされた大スランプ時には「ベースにもっと近づいて打席に立ってみろ」とアドバイスを受け、それを機に見事に蘇生するなど名将からメジャーで生き残る術を叩き込まれた。「トーリ監督がいなければ、今のオレはない。感謝してもしきれない、素晴らしい監督です」とは松井が今も口にする言葉だ。

 

 松井にとって長嶋茂雄氏が日本の恩師ならば、トーリ氏は米国の師匠。そのトーリ氏がレイズにやって来るとなれば心強い。これまで以上に接触機会が増え、さまざまな金言をもらうこともできるはずだ。

 

「レイズが松井の獲得に動いた裏で調査していたのが、実はジマー氏。ヤンキースのベンチコーチ時代から松井とはつながりがありますからね。ただその一方で、トーリ氏がジマー氏とフリードマンGM、マドン監督に松井獲得をプッシュしたという話も伝わっています」(別の関係者)。いかにトーリ氏が松井の能力を高く評価しているかが、この証言からだけでも分かる。

 松井が米国の師匠と再びメジャー1年目の原点に立ち返ることができれば、新天地で活躍する条件は整う。2人の再合体にメジャー関係者も注目している。