衰えに打ち勝つ松中の動体視力トレ

2012年06月13日 18時00分

【名物アナ山下末則のスポーツ末広がり】

 現役唯一の三冠王、松中信彦がプロ入り16年目で本塁打通算350号を達成した。ここ2年間は出場試合も少なく、統一球導入の影響もあったのだろう。2004年の3冠王を皮切りに、05年には本塁打と打点、06年にも首位打者と数々のタイトルを獲得してきたことを考えれば、本人としてもやや遅い記録達成だったに違いない。

 野球選手は長く現役を続けていると、よく打撃フォームが変化してくるという。「世界の王」ことソフトバンクの王会長は現役引退前、一本足打法の立ち姿がかなりかがんでいたという。「全盛期はスッと立っていたのに、知らず知らずのうちに年々、前傾していったんだね。反動で打球を飛ばそうとしていたのかな?」と語っていたのを記憶している。

 松中の場合はどうなのか。自覚症状(?)を聞いてみた。

「フォームの立ち姿は、あまり変わっていないと思う。かがんでいる状態は『ボールをよく見よう』『打ちたい』という気持ちが強すぎて状態が悪い時になるケースが多い」

 立ち姿ではなく、最近は「ねじり」が少なくなっていることを気にかけているようだ。

「ねじり…野球用語でいう『割り』が少なくなったことで間が取れなくなってきた。それは年齢をとるにつれ、動体視力の低下により身体全体、頭の動きを小さくしようという意識が原因かもしれない」というのである。もちろん松中も手は打っている。動体視力の低下を食い止めるためのトレーニングも欠かしていない。


 交流戦では苦戦が続くソフトバンクだが、まだペナントレースは半分も経過していない。これからのシーズン、ベテランの力を必要とする時期が必ずある。個人記録としても400号本塁打と2000安打を目指し、年齢に打ち勝って存在感を示してほしいと願っている。

☆やました・すえのり=1948年3月14日生まれ。福岡県北九州市出身。宮崎放送を経て、81年に日本テレビ入社。巨人戦実況を中心に、スポーツアナウンサーとして活躍。テレビ野球中継初の槇原投手の完全試合を実況したことでも有名。箱根駅伝のメーンアナウンサーを8年間務め、陸上競技にも精通している。08年に日テレを退社。現在はフリーアナウンサーとしてソフトバンク戦や海外ゴルフの実況で活躍するかたわら、ビジネスマン研修会社を経営している。