マートンの大学通学OK

2011年10月30日 14時00分

「コンニチワ! 元気デスカ! メッチャ、エエ天気ネ」。つかみはバッチリだった。阪神のマット・マートン外野手(30)が26日に大阪・茨木市の追手門学院大で行った特別講義は、約250人の受講者の大爆笑で始まった。テーマは「アメリカの大学におけるライフスキル教育」。マートンは教師の両親を持ち、世界トップクラスのジョージア工科大出身でもある。それだけに記者は「どんな話をするんだろう」と、ワクワクしながら約6年ぶりとなる大学の講義に臨んだ。

「教育は、とても大事なことだ。プロ野球選手として活躍しても、いつか終わりが来る。その先には長い人生が待っている。基礎になるのは教育。チャンスを広げてくれる」。マートンの熱弁をメモしていたが、ペンを思わず止めた。突然、マートンこう言いだしたのだ。

「実は大学3年でドラフトにかかったから卒業をしていない。すでに7年離れているが、大学に聞いたら10年は単位が生きるみたいだ。自分の中では99%しっかり授業を取って、卒業をしたいという思いがある。どこかで決断しないといけない」。マートンは2003年のドラフトでレッドソックスに1巡目指名されており、単位の有効期限まであと2年。決断の期日が迫っている。

 マートンによると、修得しているのは90単位で、卒業に必要なのはあと33単位。ジョージア工科大は通信受講を認めていないため、9~12月に行われる秋学期での履修も考えているという。

 となると気持ちは米帰国、そして大リーグ復帰か?と推測した。マイナーならともかく、大リーグでも9月はシーズン大詰め。10月はポストシーズンで大学に通うのは簡単ではないが、安打製造機の流出は球団にとって死活問題。そこでマートンの心をくすぐる策として、球団関係者からこんな珍プランまで飛び出した。

「マートンは何としてでも必要な戦力。出ていかれるくらいなら、ある程度の特例を認めてでも残ってほしい。例えば9月中旬に優勝した03年のように、早い段階で決まれば授業を受けるための帰国を(ポストシーズンまで)許可するとかね。それなら秋の授業に間に合うのではないか」

 家族の病気や妻の出産で日本を離れる契約があるなら、講義を受講するための一時帰国があってもいいのではないかという発想だ。マートンは自らの去就について「どうなるか分からない。米国で家族と話して決めたい。阪神のユニホームを着て、来年以降もプレーする機会があればうれしい」と話したが、超異例の付帯条件が助っ人のハートをわしづかみにする!?