藤浪に“器用貧乏”心配する声

2013年07月22日 16時00分

前田健(右)と話し込む藤浪

 初の球宴を満喫している阪神の注目ルーキー・藤浪晋太郎投手(19)にチーム内から思わぬ不安がささやかれている。20日の第2戦では2回無失点。ベンチでも球界を代表するエースの面々と積極的に交流している。本来なら大歓迎の光景だが、類いまれな能力の持ち主だけに情報収集が裏目になりかねない、と指摘されているのだ。

 

 20日の球宴デビュー戦では大阪桐蔭の先輩、日本ハム・中田から直球で空振り三振を奪うなど本領を発揮。また、その中田に対して2球連続で超遅球を投じて“乱闘劇”を巻き起こすなど大いに夢舞台を盛り上げた。そして、マウンドを降りても収穫はタップリだ。DeNA・三浦、中日・岩瀬、広島・前田健など各球団のエース級から「プロの技術」を吸収しようとコミュニケーションを図っており、この姿に阪神の関係者や先輩ナインも目を細めている。

 

 しかし、一抹の不安もある。「いろんな情報を取り入れすぎるのは心配。ここまで、うまくいっているのに、いろんなものを取り入れておかしくなってしまうのではないか」と、あるチームスタッフは心配そうに打ち明ける。情報過多によってパニックに陥るというのは若い選手にはよくある失敗だ。さらに、藤浪が並外れた吸収力、対応力を持っていることで「やればすぐできるタイプだけに余計に心配だ」と不安倍増なのだ。

 

 これまで藤浪は周囲からメンタル面や頭脳面でも高い評価を受けてきた。コーチの1人も「頭がいいからだろう。教えたことをすぐできるようになる」と絶賛。最近でも6月23日のDeNA戦で4回5失点と打ち込まれると「力みがある」と投球フォーム改造に着手。巨人・杉内を参考に脱力を意識したフォームに変更して、次の7月7日の広島戦では6回無失点で5勝目をマークした。これには先輩投手も「脱力なんて何年もやってできない投手が多い。それをすぐできるのはやっぱりすごいですよ」と舌を巻いたほどだ。

 

 すぐに対応できる能力を兼ね備えており、教えてもらったことを次々と実践できる。こうした器用な選手ほどいろいろなことに取り組んで裏目に出てしまう危険をはらんでいる。「藤浪なら、自分で必要な情報だけを選べる。大丈夫」という声もあるものの、虎のエースとなることが宿命となっている逸材だけに心配は尽きないようだ。