巨人勝利の裏に2人の男の意地

2012年06月10日 14時00分

 巨人は9日、西武戦(東京ドーム)にサヨナラ勝ち。この勝利の裏には2人の男の意地があった。一人は先発・東野。開幕二軍スタートと辛酸をなめた右腕が5回2失点の〝復活投〟を見せれば、同点に追いつかれた9回には、前の打者を敬遠し勝負を挑まれた4番・村田が、技ありのひと振りで移籍後初の劇打を放ち、男を上げた。

 


 まさに〝読み勝ち〟だった。打球が遊撃手の頭上を越え転々とするなか、二塁走者の長野が生還するさまを見送った村田は、喜びを爆発させるよりも〝ドヤ顔〟で駆け寄るナインを迎え入れた。


 3―3で迎えた最終回。先頭の長野が失策で出塁。藤村の犠打で二塁に進むと、ここまで3安打の坂本を敬遠し、4打席無安打の4番・村田との勝負を選択した。「打率も得点圏打率も坂本の方がいい。(敬遠で)歩かされて自分に回ってくると思っていたし、巨人の4番を任されているので打つしかないと思った」


 カウント1―1からの3球目、外角からボールゾーンに流れるスライダーにまったく合わず空振りする。これが劇打への大きな布石となった。「まったくタイミングが合っていなかったので、多分相手は、同じ球を投げてくる。それを狙ってやろう」。


 そして4球目。読み通りに、同じようなスライダーがきた。見逃せばボールになる球だったが、コンパクトに振り抜いた。まさに「してやったり」の一打。西武の若き司令塔・炭谷との駆け引きに、見事に勝利したサヨナラ打だった。

 

 ひと振りで殊勲のヒーローになった4番打者は「いやあ、(巨人に)来て良かった」。昨季、横浜での得点圏打率は2割にも満たなかった。それでも原監督は4番に抜擢してくれた。その恩に応えるためにも、常に勝利を求められる状況で真の勝負強さを身につけたいと考えている。この日はそういう打撃ができた。「勝つ野球を肌で感じたいと思って巨人に来たので、いい経験をさせてもらった」と笑顔で振り返った。


 投げては東野が、勝ちこそつかなかったものの復活を印象付ける投球を見せた。原監督の評価は「初回に4番に本塁打を打たれるようでは」と辛口だったが、次回登板に望みをつないだ。まさに2人の意地が呼び込んだ勝利だった。

 

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