3連続KO澤村は「重症」

2012年06月12日 12時00分

 どうした澤村――。巨人の若き右腕エースが壁にぶち当たっている。8日の西武戦(東京ドーム)に先発した澤村拓一(24)が、5回9安打4失点と大乱調。まさかの3試合連続KOで、チームも4―6で敗れ、セ・リーグ首位から陥落した。悩める右腕の今後をめぐっては、首脳陣の評価も様々。軽症か、それとも深刻な問題が発生しているのか。チーム内から聞こえてきたのは…。

 

 風邪による体調不良がささやかれていた前回登板と比べると、この日の澤村の直球は140キロ後半まで戻った。だが制球は1四球の結果以上に乱れた。

 

 特に変化球が甘く、1―1の5回には投手の西口にカーブを中前へ。その後も修正できず、犠飛で勝ち越されてからの一死二塁から、中島に痛恨の被弾。1―4とリードを広げられ、この回限りでマウンドを降りた。

 

 打線は終盤追い上げたが一歩及ばず。それでも川口投手総合コーチは「どう評価するかは分かれるところでしょうが」と前置きした上で背信続きの澤村をかばった。「状態は前回、前々回よりは良くなっている。リズムも良くなったし」と語ると「次に期待します」と前向きに評価した。

 

 澤村本人は、仏頂面で「球種が分かっているんじゃないかと感じた。たぶん癖が出ているんじゃないか」とフォームに疑心暗鬼になっている様子だったが、身内からは厳しい声も上がった。

 

 村田は「直球が走っていないし、変化球でカウントを取れる投手でもない。それなら真っすぐ(狙い)でとなる」と打者目線で分析。スコアラーも「中島が癖が分かっているのなら初球の変化球を見逃さない。直球の球威がないから対応されているだけ」とバッサリだ。

 

 最も手厳しかったのは秦バッテリーコーチだ。「今の澤村は捕手が助けられる状態じゃない。川口さんにも『対策を打ってください』とお願いしたんですけどね」と語ると、試合前の様子を明かした。「ブルペンから珍しく慎之助(阿部)が口をすっぱくしてフォームの修正点を指摘していたんだ。打者から見れば問題がはっきりしていたからね」。

 

 秦コーチは具体的なポイントこそ明かさなかったが、澤村によると、阿部は体の開きの早さと体重移動の問題点を指摘したようだ。秦コーチは「打者がいやがる投げ方じゃないということ。球威がなくても抑えられるのがローテの柱。試合で修正できないのなら、時間をかけてフォームを作り直すしかないでしょう」と〝重症〟と断じた。

 

 原監督はというと「内容はフォローできない。ストライクを取ることに一生懸命になっていては…。制球力(ストライクゾーンの)出し入れというものがないと勢いがあっても抑えるのは難しい」。ただし「本人が弱ネを吐かない限り、しっかり責任は持たせる」と次回の登板機会だけは保証した。

 

 澤村の素材は誰もが認めるところだが、巨人のローテ投手に向けられる視線は非常に厳しい。次回は周囲が納得する結果を残せるか。次の登板が正念場となりそうだ。