青木宣親「3割打てなかったら引退」

2011年09月15日 14時00分

 ヤクルト・青木宣親外野手(29)が重大決意を打ち明けた。なんと条件付きながら「引退宣言」をしたのだ。11日の阪神戦に4―2で勝ち、首位の座をキープするチームは破竹の6連勝。自らは4打数無安打で連続試合安打数が4でストップしたものの、最近5試合で打率3割3分3厘と打撃の調子自体は決して悪くない。天才リードオフマンに一体何があったのか――。


 悲壮感を漂わせた青木が本紙記者をつかまえ、こう訴えた。

「〝3割打てなかったら引退〟って書いていいですよ。書いてください」

 昨季は3割5分8厘のハイアベレージでリーグ首位打者に輝き、プロ2年目の2005年から6年連続で3割以上の打率をマーク。昨季までの7年間のプロ通算打率も青木は3割3分6厘という驚異的な数字を残している。

 ところが今季の打率は、11日現在で3割に満たない2割9分に甘んじている。責任感の強いヤクルトの背番号1は、あえて禁断の2文字を自らに背負わせて「ここでプレッシャーをかけたい」と言い切る。

 まだ20代。それでも「引退」を賭けなければならないほど現状に危機感を抱いている。8月の月間打率は2割2分5厘。そんな自身の低空飛行と連動するようにチームも連敗が続いた。しかし9月に入ると、ようやく打率は右上がり。チームも勢いを取り戻しつつあるが、青木にとってはまだまだ物足りない。前代未聞と評していい、条件付きの引退宣言はその気持ちの表れだ。

 危機感を募らせているのには、別の理由もある。それは体に起きていた〝異変〟。青木に近い関係者はこう打ち明ける。

「夏場にまったく疲れがないことに戸惑っていた。例年ならこの時期はバテバテになっていることもあるほど。あまり夏が得意ではないのに、今年は元気なまま…。打撃は悪いのに体調はいいという不思議な状況になっている」

 コンディションが良くて疲れがないことが、なぜマイナス要素になるのか。その理由を青木は自嘲気味に、次のように打ち明けた。

「塁に出てないからですよ。試合で走り回っていないから夏バテにならないんでしょうね。だからコンディションは今も最高。でもね、これじゃダメなんです」
 ただ、衝撃的な「引退」の2文字を言葉にする裏には強い自信もある。連日試合後には室内練習場で打ち込みを行っており、笑顔とともに「もう少し…。もう少しだと思う。あとはきっかけだけ。バットもだいぶ振り切れるようになってきた。3割、打てますよ。ここからいきます。体調もいいしね」と口にしている。

 混戦模様の〝乱セ〟から抜け出し、10年ぶりのリーグVを勝ち取るためにはやはり背番号1の活躍こそが必要不可欠。チームに「優勝」という最高のフィナーレをもたらすため、青木は悲壮な決意で終盤の戦いに臨む。