〝崖っ縁男〟小笠原は必要か

2012年06月11日 18時00分

 巨人の〝崖っ縁男〟の行方に注目が集まっている。左太もも肉離れからの復帰を目指す小笠原道大内野手(38)だ。7日の二軍交流戦ソフトバンク戦で実戦復帰を果たし、4打数2安打と順調な回復をアピールしたものの、原辰徳監督(53)はなぜか渋い表情。一体どういうことなのか――。

 

 ジャイアンツ球場で行われたソフトバンクとの二軍交流戦に3番・一塁で出場した小笠原は、復帰初戦でいきなりマルチ安打をマーク。移籍後初の二軍戦で守備も無難にこなし、攻守にわたって軽快な動きを見せた。試合後は「まずは最低限の動きはできたかな。自分が思ったよりもできた」。

 

 左太もも裏肉離れで抹消されてから約1か月。一軍合流へ向けて大きく前進したようにも思えるが、一軍の現状と照らし合わせれば話は簡単に進みそうもない。

 

 原監督はこの日、帰京便搭乗前の福岡空港で取材に応じ、小笠原の復帰時期について「(本人が)心・技・体揃えばOK」と語ったものの、現在のチーム編成についても触れ「正直言って今の状態で下に落とす選手はいない」と苦しい心情を明かした。

 

 小笠原と一塁を争うライバルたちも飽和状態。不調から脱したボウカーとUターン加入のエドガー、そして外野だけでなく一塁も守れる高橋由と亀井もいる。これだけの面々がそろっていれば確かに指揮官としても頭が痛い。加えてチーム関係者からは、こんな指摘が飛び出している。

 

「ガッツ(小笠原)がいない5月に(月間で16勝4敗2分けと)貯金を12も作ったということが大きい。いい流れというのもあるし、今のチームは橋上戦略コーチがまとめたデータを基にチーム一丸となって戦っている。ガッツは今でもデータというより感覚で打つタイプ。そういう野球をやっているチームに、果たしてなじむのかという問題も出てくる」

 

 巨人が好調をキープする最大の要因として、これまでとは一転し、バントやエンドランを多用するスモールベースボールを確立させた点が挙げられる。

 

「今のチームでは、村田、阿部でも〝バントは当たり前〟という風潮になりつつある。ガッツもそういった流れに乗れればいいが…」と心配する現場の声はかなり多い。

 

 一軍合流に意欲を見せ、黙々と調整を続ける小笠原にもちろん非はない。「決断を迫られるでしょうね…」とは昇格時期に頭を抱える原監督の弁。指揮官の決断に注目が集まる。