1年ぶり白星の楽天・川井は「本当にいい人」

2013年06月30日 16時00分

 存在感の薄い男が存在感を見せつけた。楽天の川井貴志(36)が6月27日の西武戦(大宮)で今季65試合目にして初登板、初先発した。ベテラン左腕は、6回をスピリーの本塁打による1点に抑え、昨年6月26日の日本ハム戦(東京ドーム)以来となる白星をマーク。

「長かった。調子が良くなってきた時に、タイミングよく(一軍に)上げてもらった」と控えめな笑顔を見せた。

 チームメートが「本当にいい人」と口を揃える川井だが、とにかく存在感が薄い。出身校は、阪神のゴールデンルーキー・藤浪をはじめ岩田、西岡、日本ハム・中田、西武・中村、浅村、中日・平田らを輩出している大阪桐蔭。

 現役では川井が最年長ながら「誰一人として川井さんのところへあいさつに来ない」(チーム関係者)という。

 大阪桐蔭に限ったことではないが、野球界は出身校の絆が強く、試合前の練習中などに後輩が先輩のもとへ駆け寄ってあいさつをするのは常識でもある。「先輩にあいさつがないとは何事か!」。川井本人よりカッとなったチームメートが「ここはビシッと言った方がいいですよ」とアドバイスしても、ベテラン左腕は「そんなのいいよ。だって相手はスター選手だよ」と受け流すだけだったとか。

 ここ数年は、台所事情が苦しくなる夏場だけセミのように地中(二軍)から這い上がり、先発ローテの谷間を埋めてシーズン終了を待たずに去っていくパターンが続いているが「(今後は)投げる試合に全て勝って、チームの流れに乗っていけるようにしたい」と川井。初のリーグ優勝を目指す楽天に、貴重な左腕が帰ってきた。