内海の不振長引かせた首脳陣との“行き違い”

2013年06月18日 11時00分

 4戦連続で白星から遠ざかっていた巨人・内海哲也投手(31)が16日のソフトバンク戦(ヤフオク)で3失点完投勝利。ようやく節目の通算100勝を達成した。生みの苦しみと言えばそれまでだが、なぜリーチから1か月以上も要したのか。長引いた足踏みの背景には、首脳陣との“行き違い”があったようだ。


「ホッとしました」。大粒の汗を垂らしながら、内海は苦笑いでインタビューに答えた。この日も味方が2点を先制してくれたものの、初回に3安打で1点を失う苦しい立ち上がり。それでも打線の大量援護で息を吹き返し、9回を投げ抜いた。

 

 内海は「今日が最後という気持ちでマウンドに上がった」という。99勝目を挙げたのが先月12日のDeNA戦。そこから暗いトンネルに突入し、4試合で計20失点。「1戦目は『次、すぐに勝てる』と思っていたのが、2戦目負けたあたりから『ヤバいな』と思い始めた。3、4戦目に負けたときは切り替えることすらできなくなった。どこまでこの壁にぶち当たるのか、正直参っていました」と打ち明けた。

 

 なぜ、勝てなかったのか。内海は負けが続くにつれパニックに陥った。「打たれるのはどこか悪いんでしょうが、自分で状態が悪いとは思っていなかった」そうだが、親しい関係者には「特に悪い原因はないんだけどなあ。それが分かればいいんだけど…。調子がいいのに、結果が出ないのはなぜなんだろう?」と悩みを相談していた。

 

 修正能力には定評ある内海が、こうも悩むとは珍しい。ナインの間からは「どこが悪いのか、自分で分からないままでは立ち直りようがない。コーチが手を差し伸べてあげないと」という声が上がっていたが、川口投手総合コーチはエースのプライドを尊重。あえて助言せず、静かに復調を待った。だが、内海は迷路を脱出できず、結果的に不振が長引く原因になった。

 

 エースのパニックぶりを見かねた川口コーチが「基本を忘れている」とと重い腰を上げたのが2日前の京セラドームでのブルペン。ここでようやく「上体に力が入りすぎているから、下半身をうまく使えていない」と具体的に指摘したという。さらにこの日の試合前ミーティングでは「しっかり直球を見せろ。お前は直球で勝負するんだろ」とハッパ。これで内海も「打たれてもいいから思い切っていこうと。何も考えずにいきました」とやっと吹っ切れた。

 原監督から「100という数字は大きいが、通過点。ひとつ山を登ったということで、これからさらに上がっていってほしい」とさらなる大台挑戦へエールを送られた内海。「ヤケ酒のオンパレード」と決別し、うまい酒を飲める日々がやってきそうだ。