大谷「二刀流」をチームメートが応援するワケ

2013年06月16日 11時00分

大田(手前)から三振を奪った大谷

 話題の大物ルーキー、日本ハム・大谷翔平(18)が本格的二刀流に大前進だ。11日、イースタン・リーグの巨人戦(鎌ケ谷)に先発した大谷は、7回109球を投げて5安打2失点ながら、プロ最多となる毎回の13奪三振。球場で見守った栗山英樹監督(52)は明言こそ避けたものの、大谷が18日の広島戦(マツダ)に「5番・投手」で出場するのはほぼ確実だ。二刀流反対論はいまだ出ているものの、そんな声を押しとどめているのは「平成の怪物・松坂」と共通した人柄だという。

 立ち上がりにボーク、暴投がらみで先制点を許した大谷は、3回にも不用意に投じた初球を9番・河野にスタンドまで運ばれた。しかし、エンジン全開となった4回以降は、最速154キロのストレート、切れ味鋭いスライダー、左打者を翻弄したチェンジアップに相手打線はキリキリ舞い。自己評価は「60点」ながら、13三振を奪うなど投手としても一級品であることを証明した。

 間近で見た栗山監督の評価も「初めて投手として試合を作れる形になったかな。課題もあったけど、終盤にアクセルを踏む場面で、きちんと踏めるようになった。そこが前に進めた部分」と上々だ。「5番・投手」での本格的二刀流デビューが注目される18日の広島戦(マツダ)については「見ていて(登板後の)2日目がしんどそうなので、これからいろいろ悩んで決めます」と明言こそしなかったものの、手応えはつかんだ様子だ。

 大谷が「球界の宝」であることは誰もが認めるところだが、そのVIP的な扱いから“やっかみ”の対象となっても不思議ではない。

 実際にプロでの二刀流に批判的な評論家も少なからずいる。

 清原和博氏(45)が打者に専念することを、一方、佐々木主浩氏(45)が投手に専念することを勧めている。野村克也氏(77)はピッチャーをやって、ダメなら野手という順番でやるべきだとした。だが、落合博満氏(59)のように、あえて二刀流を推奨する人も少数派ではあるが存在する。

 そんななか、大谷が伸び伸びとプレーできているのは、かつて「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔(32=現インディアンス)との共通点がものをいっているのだという。

 その松坂と西武に同期入団し、現在は日本ハムの赤田将吾外野手(32)はこう分析する。

「投手と二刀流で比較は難しいけど、結果と愛嬌でチームメートから応援されている感じは同じですね。大輔は1年目から最多勝を取ったんで6月の今ごろは結果で周囲を認めさせていた。大谷もその点は一緒。それに大谷の場合は投手もやっているから明らかに疲れていると思うんですよ。でも、それを表に出さないという面でも周りを認めさせている」

 結果を出すことで、周囲に認めさせる。が、それだけではないとも。

「何より性格的にも大輔と一緒で素直でいい子。先輩に自分から寄っていくし、笑顔がかわいいんで嫌われない。周りがつい協力してあげたくなるタイプで、自分でやりやすい環境を自然に作れる」(赤田外野手)

 松坂と同様に圧倒的な結果と人に好かれる天性のコミュニケーション能力で状況を打開してきた二刀流ルーキーは「自信にするところは自信にして反省するところは反省していきたい」。

 大谷もまた“新怪物”として日々進化を遂げている。