無失点男のパチンコやめさせた恩師

2012年06月07日 12時00分

 巨人の山口鉄也投手(28)が大記録に並んだ。3日のオリックス戦で8回から2番手で登板。1イニングを三者凡退に抑え、1998年に大魔神こと佐々木主浩氏(当時横浜)が打ち立てた開幕から24試合連続無失点のセ・リーグタイ記録をマークした。

 山口には周囲に「連続無失点記録を達成したら、一番に報告したい」と語る恩師の存在がある。昨年まで巨人に在籍していた元二軍投手コーチの小谷正勝氏(67)だ。

 山口は2005年の育成ドラフト1巡目で入団。しかし最初から順風満帆だったわけではない。ダイヤモンドバックス3Aを経て入団した異色の経歴が入団当初は逆に足かせとなって日本式の練習になかなかなじめず、パチンコに精を出して現実逃避する苦悩の日々が続いた。路頭に迷う左腕を救ったのが、当時二軍コーチの小谷氏だった。

「山口はかつて小谷さんに『お前は日本のランディ・ジョンソンになれる力がある。そんな立派な才能があるのに何をやっているんだ! プロだったらグラウンドで銭を拾え!』と厳しく叱られて、そこで目を覚ましたそうですよ」(チーム関係者)

 現役時代にメジャーで数々の伝説を残した〝レジェンド左腕〟R・ジョンソンになぞらえての力強いゲキが、山口の心に強く響いたというのだ。

 以来、山口は心を入れ替え、パチンコ通いを封印。小谷氏のマンツーマン指導により血のにじむような猛練習を日夜繰り返し、周囲が目を見張るほどの急成長を遂げた。
 退団した小谷氏に山口は今も感謝の念を忘れておらず、今回のタイ記録到達も真っ先に報告。もちろん次の登板では新記録を樹立し、再び恩師の前で「オレはまたやりましたよ!」と胸を張るつもりだ。