阪神快進撃 陰の立役者は“藤川の魂継いだ男”

2013年06月08日 16時00分

サヨナラ弾を放ったマートンを中心にお決まりポーズで喜びを爆発させる阪神ナイン(顔写真は渡辺亮)

 阪神が2夜連続のサヨナラ劇で6日の西武戦(甲子園)に勝利。ヒーローは決勝弾を放ったマートンだが、和田監督が絶賛したのはこの2試合の劇的な幕切れを演出した中継ぎ陣だった。一時は安定感を欠いていたリリーフ陣が急速に復調。その裏には前守護神・藤川球児(現カブス)の魂を継承する右腕のブルペン復帰があった。

 

 初回に幸先良く1点を奪いながら2回以降は無得点という重苦しい展開。このムードを払拭したのが8回から登板したリリーフ陣だった。8回は左腕・加藤が三者凡退。9回も福原が2奪三振などチームに勢いを呼ぶ熱投で無失点に封じた。そして、9回裏のマートンのサヨナラ弾。5日も渡辺、加藤、安藤の3人が6回以降をピシャリと抑えてサヨナラ勝利につなげた。和田監督が「抑えのピッチャーがゼロで抑えてくれていることが勝利につながっている」と勝利を呼び込む力投を続ける中継ぎ軍団に頭を下げたのも当然だろう。

 

 ただ、中継ぎ陣は順風満帆というわけではなかった。5月に入って失点する場面が多くなり、ストッパーの久保は不振のため二軍落ち。球団は中継ぎ右腕のボイヤーを緊急獲得した。ところが、ここにきて再び安定感が戻ってきた。その鍵を握るのが渡辺亮投手(31)だ。

 

 2005年の入団以来、安定した投球でフル回転してきた渡辺だが、今季は右肩痛のため出遅れ。5月29日に一軍に復帰した。あるコーチは「渡辺の存在が大きい。メジャーに行った藤川が“ブルペンの後のことは頼む”と託したぐらいだからね。ずっと藤川やウィリアムスがいた鉄壁のブルペンの一員だった。選手をマウンドに送り出す時の声掛けなどブルペンの雰囲気づくりを熟知している」と指摘。チーム関係者も「今年は藤川が抜けるなどリリーフの陣容が変わった。その上、渡辺も開幕に間に合わなかったことでブルペンの様子がどうかなという不安があった。渡辺が戻ってきたことで雰囲気も変わった」と“渡辺効果”の大きさを改めて痛感しているのだ。

 

 火の玉ストッパーの魂を取り戻した虎ブルペンが首位・巨人に0・5ゲーム差という僅差をキープする原動力になっている。