器の違い見せ付けた原監督

2012年05月31日 18時00分

 因縁の一戦は巨人の完勝だった。昨秋ドラフトの菅野指名問題で激突した日本ハムとの今季初対決(27日)は巨人が2―1で制した。原辰徳監督(53)はグラウンド内外で栗山英樹監督(51)に器の大きさを見せつけ、采配面でも相手を圧倒した。

 

 巨人の先発は2年目でプロ未勝利の右腕・小山。それに対して、日本ハムはエース武田勝。誰が見ても巨人に分が悪い顔合わせだったが、原監督が熟練のタクトで勝利を引き寄せた。

 

 初回に1失点した小山が制球難に苦しんでいるのを見るや、指揮官は3回で早々と見切りをつけて星野にスイッチ。その後も福田―山口―西村と小刻みなリレーで、最少リードを守りきった。26日に連勝は10で止まったが、連敗しないのが好調の証し。指揮官は「新たなスタートが切れた」と満足げな表情を浮かべた。高校時代から親交のある栗山監督に先輩指揮官の威厳を見せつけた格好となったが、実はグラウンドを離れても、持ち前の度量の大きさで敵将を感服させていた。

 

 巨人にとって日本ハムは、昨秋のドラフトで原監督のおいの東海大・菅野を1位指名し、交渉権をさらわれた因縁の相手だ。原監督と栗山監督の親しい関係にもヒビが入ったともっぱらのうわさだった。

 

 だが原監督の粋な対応で、少なくとも指揮官同士のわだかまりは消えていたという。球界関係者が知られざるやり取りを明かす。「ドラフト会議は監督就任前のことだから、はっきり言えば栗山監督に指名責任はない。でも栗山監督にとって原監督は特別な人。だから就任後に電話でわびを入れたそうだよ」

 

 憧れの人相手に、栗山監督は勇気がいったことだろう。ところが電話越しの原監督は「なんだ、そんなことか。いいんだよ、クリ。気にする必要はないから」と明るく返したという。原監督の潔い言葉に触れ、栗山監督が「以前に増して原信者になった」(同関係者)のは想像に難くない。

 

 原監督にとって、今の日本ハムは憎き敵というより、かわいい後輩が率いるチーム。「主導権を握った状態で戦えた」という言葉には、先輩指揮官の余裕がにじみ出ていた。