藤浪の評価急上昇で育成計画の「上方修正」も

2013年04月25日 11時00分

 阪神・藤浪晋太郎投手(19)が21日のヤクルト戦(甲子園)で7回2安打無失点と快投し、プロ2勝目を飾った。この日は7回でわずか83球という「省エネ投法」で和田監督に就任2年目にして初となる4連勝、同一カード3連勝をプレゼント。3度目の先発で新スタイルを披露したことで19歳ルーキーの評価は、さらに急上昇だ。入団決定後から練りに練った育成計画の「上方修正」も検討されている。

 

 奪三振4に対して内野ゴロ11。この日は、まさに「打たせて取る」投球だった。藤浪は「今日はいつも以上にボールが動いていたように感じましたが、動いたなりに投げることができました。それがいい結果につながったんじゃないかと思います」と振り返った。


 実は首脳陣は藤浪の「動くボール」は大きな武器になると考えていた。コーチの1人は「彼の直球はきれいな回転じゃない。でも、きれいな回転というのは当たれば飛ぶ。藤浪の場合は球威もあるし、回転が不規則なことで打者は球質がかなり重いと感じる。メジャーの投手のように“動く”ことがある。バットの芯で捉えない限り飛距離は出ないし、動くから芯に当てるのは難しい」と指摘する。


 この「動く重いボール」の本領を発揮して2勝目。7回で83球と完封も視野に入る内容ながら、和田監督が「無理はさせられない。ペースを守って投げないといけない」と明かしたように育成プランを優先。藤浪も「完投しようと思えばできましたが、球団の方針もあるので」と余力を残して、リリーフ陣にバトンを渡した。


 球団首脳が「彼に関してはまず故障をさせないことが最大のテーマ」という大前提で作成されたマニュアル。年間投球回数の上限を150イニング前後に設定するなど慎重に慎重を期した内容だ。しかし「動くボール」がプロで通用することが証明されたことで藤浪の育成計画にも変化が生まれる。


 あるコーチは「4月は6イニング、100球というのが目安だったが、今後は少しずつ伸ばしていくことになる。投球数が減ればイニング数は伸びる。思ったより早く完投、完封もできるんじゃないか。藤浪の状態次第では年間イニング数の制限を見直すこともある」と打ち明ける。


 和田監督が「投げるたびに成長している。まだ藤浪のマックスを見ていないから楽しみ」と絶賛の言葉を続けたように、19歳右腕はまだまだ底知れない力を持っている。