【センバツ】敗れた啓新のアルプス席ゴミ拾いに反響「気になったから拾っただけ」

2019年03月30日 20時53分

アルプススタンドでごみ拾いする啓新応援団

 第91回選抜高校野球大会第8日(30日、甲子園)、第3試合で優勝候補の智弁和歌山が創部7年目で初出場の啓新(福井)との雨中決戦を5―2で制し、8強入りを決めた。

 試合は智弁和歌山が初回に先制すると、中盤5回と終盤7回に追加点。啓新も最終回に2点を返す粘りを見せた。降雨のため2回終了時に約1時間50分の中断を強いられ、ロングゲームとなったが、互いに集中力を切らさなかった。

 グラウンドの白熱した好ゲームだけでなく、一塁側アルプス席の、ある行動がネットを中心に話題となった。長い中断の間、カッパを着た啓新のベンチ外部員と同校の生徒会が中心になって約40人が黙々と清掃活動。この姿に対する反響だった。

 啓新野球部の部訓は「考動」。この活動は、関東王者を撃破した27日の1回戦・桐蔭学園(神奈川)戦でも行われた。「やるつもりで来たわけではありません」。そう話すのは、最初に「考動」を起こした3年生の狩野良威央(らいお)選手。「この前も第3試合で1、2試合目の分と合わせると相当なゴミが落ちていた。そこにゴミがあって気になったから拾っただけです。気持ちよく応援したいし、その方が選手にも届くのかなと思ったんです」

 動機はこの日も同じだった。「今日も3試合目でしたから(ゴミが目立った)。雨で中断したので、その間にみんなに声をかけました」。中断時間と試合後を合わせて、この日拾ったゴミの量は一般的な45リットル用袋で23袋。甲子園球場関係者は「ゴミ袋をちゃんと持ち帰るところまで本当に素晴らしい行動でした。アルプス席にゴミ袋を置いていかれるところもございますので…」と話すように、心配りは最後まで徹底されていた。

 生徒会担当の栗田敦史教諭(35)は「ふだんからなんです。生徒が率先してやっています。甲子園だから特別というわけではありません」と目を細めた。

「選手たちは本当に気持ちのこもったいいプレーをしてくれた。今度は選手として僕も甲子園に戻ってきたい」とすがすがしい笑顔を見せた狩野。今度は甲子園のグラウンドで、ファインプレーを見せるつもりだ。