阪神・矢野燿大監督(50)がいまだ「守護神問題」に頭を痛めている。すでに打線では大山悠輔内野手(24)の4番、新人・近本光司外野手(24=大阪ガス)の2番起用など開幕オーダーが固まっているが、いまだハッキリしないのが抑え復帰に燃える藤川球児投手(38)ら救援陣の配置だ。果たして29日の開幕戦で虎の守護神は誰が務めているのか。

 指揮官は「開幕前までに(勝利の方程式などの)形は作っておきたいとは思う」としながらも「自分の頭の中で想定したものはあるが、今あえて言うことではない。どの投手も勝ち駒でいるのがウチの強み。どう固定するとか、まだ言うアレではないという判断だ」と終始、奥歯にものが狭まったような言葉を残している。

 普段から明瞭なタイプだけに異例。特に今季は昨年中継ぎエースの藤川が自ら抑え転向を志願し、完全復活に燃えている。現役時代にその藤川と“黄金バッテリー”を組んでいたのが矢野監督とあって今回、新守護神として「本命視」されていたはずだった。

 球団関係者の一人は「球児の状態を考えてのことかもしれない。もちろん、その意気込みや実力も買っているが、開幕は(調子が)いい方を後ろに、という判断もあるのかもしれない。新外国人のジョンソンという手もあるんじゃないか」と指摘する。

 18日現在、藤川はオープン戦3試合に登板して計3回3安打1失点、防御率3・00。一方、ピアース・ジョンソン(27=前ジャイアンツ)は4試合で計4回1安打無失点、防御率0・00で特筆すべきは打者15人に対し三振を6個も奪っている点だ。

 当初、ジョンソンは中継ぎ強化のため獲得した助っ人だったが、今春キャンプ中から好投の連続。指揮官も「非常にまとまっているし、抑えでもいけるんじゃないか」と絶賛で、現在も「8回で起用? まだ分からん。俺も捕手出身やから相手を見て判断したい。臨機応変もある」と言葉を濁している。

 他球団の007からも「開幕したら藤川も本領を発揮するだろうけど、情報が少ない分、ジョンソンが抑えとなると厄介だ」と警戒されている。ひょっとしたらの新守護神起用もあり得るのだ。

 しかし、「自分にとっては大きなシーズン。矢野さんのためにも頑張りたい」と話す百戦錬磨の藤川もこのままでは終われないのも事実。矢野監督の眠れない日々は続きそうだ…。