阪神・西勇輝投手(28)が17日の西武戦(甲子園)で5回4安打1失点と好投し、矢野阪神の本拠地初白星に貢献した。

 雨天による2度の中断を挟みながらも安定感抜群の内容に、矢野監督は「何も文句ない。西らしい投球でしっかりコーナーを投げ分けていた」と合格点。ただ、5回に自らの悪送球が失点に絡んだとあって、西は「最後が悪過ぎた。今の時期は結果ではなく内容が大事。今日のようなミスがないようにしたい」と反省の弁を並べた。

 しかし、ライバル球団は右腕の“カメレオン投法”に頭を抱えるばかりだ。「もっとシュートで内角を攻めるイメージだったが、今のところそうでもない。今日もカーブを多投していたように本気モードではなかった。なかなかシーズンに生きるような情報が集めにくいよ」(セ・リーグ球団スコアラー)

 交流戦があるとはいえ、パ・リーグからFAで来た西は戦力分析において最重要人物。しかし、普段は使わない球種を試したり、捕手との呼吸を合わせることに重点を置くなど、オープン戦では“よそ行き投球”に終始していることで生きた情報を集められていないという。

 実際、西は「もう一回試すんちゃいますかね。シーズン中に『試しました、打たれました』では話にならないので」と開幕前最後の登板となる24日のオリックス戦(京セラ)すらもお試し登板にするつもり。

 そんな姿にチーム内では「あのクラスになればいつでも自分の投球はできる。相手にギリギリまで手の内を見せたくないという思惑があるんじゃないか」(球団関係者)との声もある。

 移籍1年目からフル回転が期待される西。開幕前の情報戦では一歩リードといったところか。