コーリー・ギアリン「遠征用のパッキングで本だけは忘れない」

2019年03月16日 11時00分

ジャイアンツ時代のギアリン(ロイター=USA TODAY Sports)

【元局アナ青池奈津子のメジャー通信=コーリー・ギアリン投手(マリナーズ)】「遠征用のパッキングをしていて、ケータイの充電器を忘れることはあっても、本だけは忘れないよ」

「野球以外で好きなことは何?」で始まったコーリー・ギアリンとの会話は、1時間に及ぶ長い立ち話になった。座ればいいのに…ごもっとも。でも、クラブハウスで選手に話しかけると、たいていの選手が「座ってて」と言っても立ってくれるのだ。小さなことだが、そのたびに、ありがたい気持ちでいっぱいになる。

 さて、本題の「大の読書家&旅好き」というコーリーの話。

「朝起きて、まず読書を1時間。コーヒーを飲みながらゆっくり読んで、犬を散歩に連れていくのが僕のシーズン中の日課かな。朝に何かしらの知識を蓄える感覚が好き。ジャンルは経済、政治、物語、詩など様々なものから、自分自身を成長させてもらえると思うものを選ぶようにしているよ。この春は今のところ8冊ストックしているんだけど、それが今読んでいる本を読むモチベーションにもなっている。次の本はどんな本なんだろう、違う本を読むのが待ち切れない…って感じに」

 今読んでいる本は?と聞くと「ヘビーな本を読みすぎて少し疲れたから、古典文学に戻ってヘミングウェーの『誰がために鐘は鳴る』」とのこと。

「多文化や異業種のことを読んでいくうちに、一つの業界での正しいことが別の業界でも同じように捉えられたりするって思うようになったんだ。政治もビジネスも、全く違うはずの野球とつながるところがあって、結局のところ人が関わっているからアプローチは似ていたりするんだなって。そういうものに触れることは野球選手としてやっていく上で大事だと思う」

 得られた知識で「野球の未来を良くしたい」と、選手会の活動にも精力的に関わっているコーリー。「野球は情熱で、本は癒やし」と言うが、本に対する情熱もなかなかのものである。

「野球選手でいるおかげで、様々な町の様々な本屋さんに行けるのも楽しみの一つ。それぞれの町にある小さな本屋さんって、その地域の作家さんや気になることを棚に並べていて、そのコミュニティーの様子を表しているように思うんだ。今年マリナーズと契約して、フィジカルチェックでシアトルに行った時、エリオット・ベイ・ブックストアっていう、一日中いても飽きないくらい、すてきな本屋さんを見つけたんだ。今からシアトルに住むのが楽しみだよ」

 ニコニコと人当たり良く話すコーリーの言葉には、よどみがない。

 ここまできたら、やはり聞きたいのは彼の選ぶ一番の本。高校時代の野球チームでスタメンにもなれなかったコーリーが、大リーガーになる夢を追うきっかけをつくってくれた、その本は…。=次回に続く=

☆…コーリー・ギアリン 1986年4月14日生まれ。32歳。米国・テネシー州出身。2007年のドラフト3巡目(全体112位)でブレーブスから指名され入団。右サイドハンドの技巧派投手で、11年4月にメジャーデビュー。同年初勝利をマークすると、以降はセットアッパーとしてメジャーに定着した。14年にトミー・ジョン手術を受け、自由契約になると15年からはジャイアンツへ。その後はレンジャーズ、アスレチックスと渡り歩き、19年はマリナーズでプレーしている。190センチ、90キロ。

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